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【NSX】VMware NSXを構築してみた #1デプロイ編

皆様こんにちは!ネットワールドSEの小島です。

 

クラウドや仮想化技術が進化する中で、ネットワーク仮想化はITインフラストラクチャの重要な要素となっています。

 

NSXは、仮想ネットワークとセキュリティを一元管理できる強力なプラットフォームであり、企業のネットワーク管理を劇的に変える可能性を秘めています。

 

この記事では、NSXを仮想化基盤にデプロイして、無事に立ち上げるまでを実際のキャプチャとともに紹介します。

 

ネットワーク仮想化に興味がある方や、NSXの導入を検討している方にとって少しでも参考になれば幸いです。

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やること

NSX Managerとは

まず初めにNSX Managerについて簡単に紹介します。知ってるよ!という方は飛ばしてください。

NSX ManagerはNSXを管理する仮想アプライアンスです。管理プレーンとコントロールプレーン両方の役割を担っており、ファイアウォールや仮想ルータなどのNSX設定の一元管理、ルーティング・スイッチングの制御、ユーザーへのGUI/CLIアクセスの提供などを実現しています。

また、3台でクラスタ構成にすることによって冗長化することも可能です。クラスタ構成にする際は別々のESXiホストに配置してアンチアフィニティルールを設定することが推奨されています。

NSX Managerイメージ図

やること

ESXi3台構成のvSphere基盤にNSX Managerをデプロイします。今回はNSX Managerを1台だけデプロイして立ち上げるところまで構築します。

構築イメージ図



準備作業

NSXをスムーズにデプロイするためには、事前の準備が不可欠です。このセクションでは、正しく環境を設定するために必要な準備作業について解説します。

 

ハードウェアリソースの確保

デプロイするNSX Managerのサイズに応じて、必要なハードウェアリソースを確保しておきます。

今回は「中規模」サイズでデプロイするので下記の通りリソースを確保しておきます。

・メモリ:24GB

・vCPU:6

・ディスク容量:300GB ※シンプロビジョニングの場合3.8GB

NSX Managerのリソース要件

互換性確認

NSXの導入において、ソフトウェアの互換性を確認することは非常に重要です。

導入するNSXのバージョンとvCenter,ESXiホストのバージョンに互換性があるか下記サイトより確認します。

Product Interoperability Matrix

公式互換性ガイド(Compatibility Guide)

OVAファイルの準備

下記サイトの手順を参考にして、BroadcomサポートポータルからOVAファイルをダウンロードします。

Broadcom 製品とソフトウェアのダウンロード

 

※ダウンロードするには下記の条件を満たしている必要があります。

・Broadcom サポートポータルの登録ユーザーであること

・ダウンロードする製品とソリューションのSite ID と有効な契約があること

 

分散仮想スイッチの準備

NSXのサービスを利用するには分散仮想スイッチが導入されている必要があります。

NSXの構築を始める前に導入しておきましょう。

分散仮想スイッチが必要

構築してみた

実際に構築してみたので手順をキャプチャとともに紹介していきます。

今回はバージョン4.2.1.2で構築しています。

 

1.vCenterにログインします

構築キャプチャ1

2.NSX Managerをデプロイしたいクラスタを右クリックし、「OVFテンプレートのデプロイ」をクリックします。

構築キャプチャ2

3.「ファイルのアップロード」をクリックします。

構築キャプチャ3

4.ダウンロード済みのOVAファイルを選択します。

5.OVAファイルがアップロードされたことを確認し、「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ4

6.「仮想マシン名」を入力し、「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ5

7.コンピューティングリソースを選択し、「次へ」をクリックします。

 ※ESXiホスト単位で選択することも可能です。

構築キャプチャ6

8.「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ7

9.NSX Managerのサイズを選択し、「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ8

10.ストレージと「仮想ディスクフォーマットの選択」を選択し、「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ9

11.NSX Managerの管理インターフェイスを接続するポートグループを選択し、「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ10

12.テンプレートのカスタマイズタブで、NSX Managerのroot、admin、(必要であれば)auditのパスワードを入力します。

パスワード要件は下記の通りです。

-12 文字以上
-小文字が 1 文字以上
-大文字が 1 文字以上
-数字が 1 文字以上
-特殊文字が 1 文字以上
-異なる文字が 5 文字以上

 

13.テンプレートのカスタマイズタブをスクロールし、下記の設定を入力します。

・ホスト名

・管理ネットワークIPv4アドレス

・管理ネットワークのネットマスク

・デフォルトゲートウェイ

・DNS サーバリスト

・ドメイン検索リスト

・NTPサーバリスト

 

14.さらにスクロールし、「SSHの有効化」に任意でチェックを入れます。

SSH有効化は推奨されていませんが、今回は検証環境なので有効にしています。

構築キャプチャ11

15.「次へ」をクリックします。

構築キャプチャ12

16.設定値が問題ないことを確認し、「完了」をクリックします。

構築キャプチャ13

17.デプロイが始まるので終わるまで待ちます。環境にもよりますが約20分ほどかかります。

 

18.デプロイが完了したら、NSX Managerをパワーオンします。

 

19.パワーオンできたら実際にNSX Managerにログインしてみます。

まずは下記の通りWebブラウザに入力します。

https://<アドレス>

 

20.ログイン画面が表示されるので下記の通り入力し、ログインをクリックします。

admin

パスワード

構築キャプチャ14

 

21.同意するにチェックを入れ、「続行」をクリックします。

構築キャプチャ15

22.「VMware カスタマー エクスペリエンス向上プログラムに参加する」に任意でチェックを入れます。今回は検証環境のためチェックを外しておきます。

「保存」をクリックします。

構築キャプチャ16

23.NSXの管理方法を見ることができます。スキップすることも可能なので任意で確認します。

構築キャプチャ17

24.NSX Managerの管理画面が表示されることを確認します。

構築キャプチャ18

まとめ

今回はNSXの管理アプライアンスであるNSX Managerのデプロイ方法について紹介しました。

記事でもふれたとおりNSX Managerは3台クラスタ構成も可能です。次回以降はクラスタ構成の構築方法を紹介していく予定です。