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【NSX】VMware NSXを構築してみた #2クラスタ構成編

皆様こんにちは!ネットワールドSEの小島です。

 

前回の記事「#1 デプロイ編」では、NSX環境構築の第一歩としてNSX Managerのデプロイを行いました。


今回の「#2クラスタ構成編」では、NSX Manager3台でクラスタを構成し、VIPを設定する手順をキャプチャと共に紹介していきます。

 

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1.はじめに

前回のおさらい

前回の記事「#1 デプロイ編」では、vSphere基盤上にNSXの管理コンポーネントであるNSX Managerをデプロイし、管理画面にアクセスするところまで行いました。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

【NSX】VMware NSXを構築してみた #1デプロイ編 - ネットワールド らぼ

 

今回やること

NSXの管理画面からNSX Managerを追加で2台デプロイし、3台でクラスタを構成します。

その後にVIPを設定し、VIP経由で管理画面にアクセスできるようにします。

 

準備作業

NSXとvCenterの連携

NSXの管理画面からNSX Managerをデプロイする際は事前にvCenterと連携を行っておく必要があります。

NSX上ではvCenterのことを「コンピュートマネージャ」と呼んでいます。この単語が出てきたらvCenterのことを指しているんだな~と思ってください。

 

1.ブラウザから、 NSX Managerに管理者権限でログインします。

 

2.システム>ファブリック>コンピュートマネージャ>コンピュート マネージャの追加 をクリックします。

3.下記の設定を入力し、「追加」をクリックします。

・名前:NSX上で管理される名前

・FQDNまたはIPアドレス

・ユーザー名

・パスワード

下にスクロールすると出てくる「サービス アカウントの作成」、「信頼を有効にする」、「アクセス レベル」はvSphere Lifecycle Manager を有効化する際に必要な項目ですが、今回は有効にしないため設定しないでおきます。

4.手順3でサムプリントを空白にしていたので、サーバ提供のサムプリントを使用するかの確認画面が出てきます。「追加」をクリックします。

5.登録状態「登録済み」、接続状態「稼働中」になっていれば連携完了です。

ライセンス追加

(このタイミングでなくても大丈夫です)

ライセンスはNSXの機能を使用する上で必要となってきます。

NSXで使用するライセンスは大枠2つに分類されます。

・VCFライセンス

・VCFアドオンライセンス

VCFライセンスはNSXとvCenterを連携すれば自動追加される(※1)ので、NSX側での追加作業は発生しません。(あらかじめvCenter側で追加されているのが前提となります。)

VCFアドオンライセンスはNSX側での追加作業が必要になります。こちらの作業を行っていきます。

 

※1 バージョンがNSX:4.1.2.3以上、vSphere:8.0U2b以上になっている必要があります

 

1.ブラウザから、 NSX Managerに管理者権限でログインします。

2.システム>ライセンス>ライセンスを追加をクリックします。

3.ライセンスキーを入力し、「追加」をクリックします。

4.追加したライセンスが有効になっていることを確認します。

 

補足:評価版もある

NSXには評価期間もあり、VCFライセンスで提供される機能を60日間使用することが可能です。また、VCFアドオンライセンスで提供される機能もBroadcomのサポートポータルより評価ライセンスをリクエストして入手すれば使用可能となります。

詳細は下記サイトを参照ください。

https://techdocs.broadcom.com/jp/ja/vmware-cis/nsx/vmware-nsx/4-2/about-nsx-licenses.html

 

構築してみた

実際に構築してみたので手順をキャプチャとともに紹介していきます。

 

1.ブラウザから、 NSX Managerに管理者権限でログインします。

2.システム>アプライアンス>NSXアプライアンスの追加をクリックします。

3.下記の設定値を入力し、「次へ」をクリックします。

・名前

・管理IPv4/ネットマスク

・管理ゲートウェイIPv4

・DNSサーバ

・NTPサーバ

・ドメインの検索

・ノードサイズ

4.下記の設定値を入力し、「次へ」をクリックします。

・コンピュートマネージャ

・コンピュートクラスタ

・リソースプール(任意)

・ホスト(任意)

・データストア

・仮想ディスクのフォーマット(任意)

・ネットワーク:NSX Managerの管理IFの接続先

5.下記の設定値を入力し、「アプライアンスの展開」をクリックします。

・SSHの有効化(任意):無効化推奨

・rootアクセスの有効化(任意):無効化推奨

・rootパスワード

・rootパスワードの確認

・CLIユーザー名

・CLIパスワード

・auditのCLIユーザー名

・auditのCLIパスワード

 

パスワード要件は下記の通りです。

-12 文字以上
-小文字が 1 文字以上
-大文字が 1 文字以上
-数字が 1 文字以上
-特殊文字が 1 文字以上
-異なる文字が 5 文字以上

6.手順2~5を繰り返して3台目もデプロイします。

 

7.デプロイが完了したら、「仮想IPの設定」をクリックします。

8.VIPにしたいアドレスを入力し「保存」をクリックします。

9.VIPが割り当てられたことを確認します。

10.VIP経由で管理画面にアクセスします。

下記の通りWebブラウザに入力します。

https://アドレス>

 

11.認証情報を入力し、「ログイン」をクリックします。

12.ログインできたことを確認できれば、VIP経由での管理画面へのアクセスは成功です。

まとめ

今回は下記内容を実施しました。

・NSX Managerのクラスタ構成の構築

・VIPの設定

・VIP経由で管理画面へアクセス

最後までお読みいただきありがとうございました。