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Microsoft Ignite 2025でのIntuneの新情報は?

次世代モバイルデバイス管理: Microsoft Ignite 2025でのIntuneの新情報は?

イントロダクション

こんにちは!MS担当の石坂です。モバイルデバイス管理の世界は日々進化しており、その最前線に立つのがMicrosoft Intuneです。今回、Microsoft Ignite 2025に参加してきました。今回はその中でIntuneの内容についてまとめました。新機能の情報もあり、皆様のお役に立てそうな内容だと幸いです。

 

近年、Intuneは飛躍的な成長を遂げ、多様なオペレーティングシステムをサポートするようになりました。これにより、企業はWindows、macOS、iOS、Androidといった様々なプラットフォームをシームレスに管理することが可能です。

まずは現在の立ち位置として過去5年で10倍以上の正常を遂げ、企業のクラウド管理の中心的存在になっていることを紹介しました。

過去5年で10倍以上の成長

また、Windows、macOS、Linux、Android、iOSなど、あらゆるデバイスを一元管理できることも強調していました。

幅広いOS対応

現在クラウド上のWindowsの70%はIntuneで管理されています!

クラウド上のWindowsの70%がIntuneで管理

 

AIでIT管理がもっとスマートに!

Intuneの世界でもAIの活用が可能です。AIの導入で、IT管理やビジネス変革がこれまで以上にスピーディー&スケーラブルに。リアルタイムの脅威検知や自動化による業務効率化など、AIが新しい可能性を広げています。

 

AIがIT管理を根本から変革!

  • AIによる自動化で、繰り返し作業の削減や、リアルタイムの脅威検知が可能に。
  • AIは膨大な情報を高速処理し、IT管理やビジネス変革を加速。
  • セキュリティ面でも、AIがリアルタイムで脅威を検知し、エスカレーションを未然に防止。

つまり、AIによるIT管理の最適化とは、IT管理の現場で発生するさまざまな作業や課題を、AIの力で効率化・自動化することです。
従来のIT管理では、デバイスの設定やポリシーの適用、トラブルシューティング、セキュリティ対策など、多くの手作業が必要でした。これらは時間がかかるだけでなく、人的ミスや対応の遅れにつながることもあります。
AIを活用することで、こうした繰り返し作業や複雑な判断を自動化できます。例えば、AIは膨大なデータをリアルタイムで分析し、セキュリティ上のリスクや脅威をすばやく検知します。また、トラブルが発生した際には、原因の特定や解決策の提案もAIが行ってくれるため、管理者の負担が大きく減ります。
さらに、AIは使えば使うほど学習し、より賢くなっていきます。そのため、IT管理の効率は継続的に向上し、管理者はより重要な業務に集中できるようになります。
このように、AIによるIT管理の最適化は、業務の効率化だけでなく、セキュリティの強化や人的ミスの防止にも役立ちます。今後のIT管理は、AIとともに進化していくことが期待されています。

 

現場の課題とIntuneの解決策

コンプライアンス対応、複雑な承認プロセス、デバイスの多様化など、現場のリアルな課題にもIntuneがしっかり対応。手作業の削減やセキュリティ強化もバッチリです。

  • 現場でよくある課題
    • コンプライアンス要件の変化、複雑な承認プロセス、デバイスの多様化、手作業の多さ、セキュリティプレッシャーなど。
  • Intuneの解決策
    • ポリシー自動化、タスク割り当て、ユーザーごとのポリシーギャップ検知、デバイス多様化への対応、ツールの統合による効率化。

現場のIT管理には、さまざまな課題が存在します。たとえば、コンプライアンス要件の変更への対応、複雑な承認プロセス、デバイスの種類や利用形態の多様化、手作業による設定や管理、そしてセキュリティ対策の強化などです。これらの課題は、管理者の負担を増やし、業務の効率低下や人的ミスの原因にもなります。
Microsoft Intuneは、こうした現場の課題を解決するための機能を多数備えています。まず、クラウドベースで複数のデバイス(Windows、macOS、Linux、Android、iOSなど)を一元管理できるため、デバイスごとの個別対応が不要になります。ポリシーの自動適用や更新管理、アプリの配布、セキュリティ設定も一括で行えるので、手作業の負担が大きく減ります。
さらに、IntuneはAIを活用した自動化や分析機能も提供しています。これにより、コンプライアンス違反やセキュリティリスクをリアルタイムで検知し、迅速な対応が可能です。承認プロセスやタスクの割り当て、ユーザーごとのポリシーギャップの検出なども自動化され、管理者はより重要な業務に集中できます。
このように、Intuneは現場のIT管理における課題を効率的かつ安全に解決し、組織全体の運用をサポートします。

 

Copilotによるデータ分析・管理の革新

Copilotを使えば、自然言語でデータ検索・分析・管理ができるので、エンドポイント管理がグッと楽になります。AIが常に学習し、最適なアドバイスをしてくれるのも嬉しいポイント!

 

CopilotでIntuneデータを簡単分析!

  • Copilotは自然言語で質問でき、データの検索・分析・管理が直感的に行えます。
  • デバイス、アプリ、ユーザー、ポリシー、コンプライアンス情報を一元管理。
  • AIが常に学習し、最適なアドバイスや自動化を提供。

Copilotによるデータ分析・管理の革新とは、IT管理者がIntuneなどの管理ツールで扱う膨大なデータを、AIの力でより簡単・効率的に活用できるようになることです。
従来のIT管理では、デバイスやアプリ、ユーザー、ポリシー、コンプライアンス情報など、さまざまなデータが分散していて、必要な情報を探したり分析したりするのに多くの時間と手間がかかっていました。
Copilotは、こうした課題を解決します。管理者はCopilotに自然な言葉で質問するだけで、必要なデータをすぐに検索・分析できます。たとえば「この部署のデバイスのセキュリティ状況を教えて」や「ポリシー違反が多いユーザーは誰?」といった質問にも、CopilotがAIでデータを横断的に調べて、わかりやすく答えてくれます。
さらに、Copilotは分析だけでなく、管理作業もサポートします。例えば、分析結果をもとにポリシーの変更やデバイスの設定をその場で実行できるため、管理業務のスピードと精度が大幅に向上します。
このようにCopilotは、IT管理の現場で「知りたいことをすぐに知る」「必要な作業をすぐに実行する」ことを可能にし、データ活用と管理のあり方を大きく革新しています。

デモはもちろん英語だったので日本語で出来るかは後日確認してみます。

Copilotを使用したChat

 

Windows & macOSの新機能

Windows Recovery Environmentのリモート管理や、macOSのローカルアカウント管理(LAPS)、Platform SSOなど、各OS向けの新機能も発表されました。

 

Windowsの新機能

このセッションでは、Windows向けにいくつかの注目すべき新機能が発表されました。

  • Windows Recovery Environment(WinRE)のリモート管理
    IT管理者が、物理的に現場に行かなくても、遠隔でWindowsの復旧作業ができるようになりました。これにより、大規模な障害が発生した場合でも、迅速かつ安全に復旧対応が可能です。すべての操作はハードウェア証明書で認証されるため、セキュリティも確保されています。

  • Autopilotデバイスの関連付け(プレビュー)
    新しいデバイスのセットアップや管理がさらに簡単になり、組織全体での展開がスムーズに行えます。

  • Windowsバックアップの管理
    組織向けにWindowsバックアップ機能が強化され、データ保護や復旧がより確実になりました。

  • アプリインベントリやインストーラースクリプトの管理
    エンタープライズアプリの管理が効率化され、必要なアプリの展開や更新が簡単に行えます。

Windowsの新機能

macOSの新機能

macOS向けにも、企業利用に役立つ新機能が追加されています。

  • ローカルアカウント管理(LAPS)
    管理者がmacOSデバイスのローカルアカウントを一元管理できるようになり、標準ユーザーと管理者アカウントの作成・管理が簡単になりました。暗号化された管理者パスワードの運用も可能です。

  • Platform SSO(シングルサインオン)
    macOSのセットアップ時に、シングルサインオンを設定できるようになりました。これにより、ユーザーは一度の認証で複数のサービスにアクセスでき、利便性が向上します。

  • iCloudバックアップ管理
    組織でiCloudバックアップの利用状況を管理できるようになり、データ保護やコンプライアンス対応がしやすくなりました。

  • Defender for Endpointとの連携
    macOSデバイスのセキュリティリスクスコアを取得し、コンプライアンス管理に活用できます。

macOSの新機能

これらの新機能によって、WindowsもmacOSも、企業での運用や管理がより効率的・安全・便利になっています。IT管理者は、複雑な作業を自動化し、セキュリティやデータ保護も強化できるため、現場の負担が大きく軽減されます。

 

セキュリティ強化とAI活用

Microsoft DefenderやSecurity Copilotなど、AIを活用したエンドツーエンドのセキュリティプラットフォームが登場。脅威検知やリスク管理がさらにパワーアップしています。

 

Microsoft DefenderやSecurity Copilotによるエンドツーエンドのセキュリティ

  • 100兆件/日の脅威インテリジェンスを活用し、リアルタイムでリスク検知・対応。
  • Security CopilotはMicrosoft 365 E5ユーザーに提供開始。SOC(セキュリティ運用センター)業務もAIで効率化。

企業のIT環境では、サイバー攻撃や情報漏えいなどの脅威が年々増加しています。そのため、セキュリティ対策はますます重要になっています。しかし、従来の方法だけでは、膨大なデータや複雑なシステムをすべて守りきるのは難しくなってきました。
そこで注目されているのが、AIの活用です。AIは膨大なデータをリアルタイムで分析し、通常とは違う動きや不審なアクセスをすばやく検知できます。たとえば、Microsoft DefenderやSecurity CopilotなどのAI搭載セキュリティツールは、毎日100兆件以上の脅威情報をもとに、最新の攻撃手法にも対応しています。
AIは、脅威を検知するだけでなく、リスクの優先順位付けや、最適な対策の提案も行います。これにより、管理者は本当に重要な問題に集中でき、迅速かつ的確な対応が可能になります。また、AIは使えば使うほど学習し、より賢くなっていくため、セキュリティ対策の精度も向上します。
このように、AIを活用したセキュリティ強化は、企業のIT環境を守るための新しいスタンダードとなりつつあります。人の手だけでは対応しきれない部分をAIが補い、より安全で効率的な運用を実現します。

 

新しい管理エージェントと自動化

 

  • エージェント型AIによる自動化
    • ガイド付き、管理者承認、完全自動の3タイプのリメディエーション(修復)を提供。
    • ポリシー設定や変更管理、デバイスのオフボーディング(退役)、脆弱性修復などもAIがサポート。

最近のIT管理では、管理者が手作業で設定や監視、トラブル対応を行うだけでなく、AIや自動化の仕組みを活用する流れが強まっています。その中心となるのが「管理エージェント」と呼ばれるAIベースの自動化ツールです。

管理エージェントは、企業のIT環境で発生するさまざまな業務を自動で処理してくれます。たとえば、ポリシーの設定や変更、デバイスの登録や退役(オフボーディング)、脆弱性の修復、セキュリティリスクの検知など、従来は人が一つひとつ対応していた作業を、AIが自動化します。

このエージェントには、いくつかのタイプがあります。

  • ガイド付き(Guided):管理者が指示を出しながら、AIがサポートしてくれるタイプ。
  • 管理者承認(Admin remediation):AIが提案した対応を管理者が承認して実行するタイプ。
  • 完全自動(Autonomous):AIが自動で判断し、必要な対応をすべて自動で行うタイプ。

これらのエージェントを活用することで、管理者は細かい作業から解放され、より重要な業務に集中できます。また、AIによる自動化は、人的ミスの防止や対応スピードの向上にも役立ちます。

要するに、新しい管理エージェントと自動化の仕組みは、IT管理の効率化と安全性向上を同時に実現する、これからのIT運用に欠かせない技術です。

コンプライアンスとポリシー管理

 

Policy Configuration Agent(プレビュー)

  • 複雑なコンプライアンス基準(CIS、STIGなど)を自動でIntuneポリシーに変換。
  • デバイスの監査やポリシー展開を効率化し、手作業や解釈ミスを削減。

 

コンプライアンスとポリシー管理は、企業のIT運用においてとても重要な役割を果たします。
コンプライアンスとは、法律や業界の規則、社内ルールなどを守ることです。ポリシー管理は、それらのルールをITシステムやデバイスに正しく適用・運用するための仕組みです。
従来は、複雑な規則や基準(たとえばCISやSTIGなど)を手作業で解釈し、個別に設定する必要がありました。これには多くの時間と労力がかかり、人的ミスや設定漏れのリスクもありました。
Microsoft Intuneでは、こうした課題を解決するために「Policy Configuration Agent」などの新機能が導入されています。
この機能は、複雑なコンプライアンス基準を自動的にIntuneのポリシーに変換し、組織全体のデバイスに一括適用できます。さらに、AIがデバイスの監査やポリシーの適用状況をチェックし、違反やギャップがあればすぐに検知・通知してくれます。
これにより、管理者は手作業の負担を減らし、より効率的かつ確実にコンプライアンスを維持できます。
また、ポリシーの自動化や監査機能によって、企業はセキュリティや規則遵守を強化し、安心してIT運用を続けることができます。
要するに、Intuneのコンプライアンスとポリシー管理機能は、企業のIT環境を安全・効率的に守るための強力なサポートとなっています。

 

まとめと今後の展望

Microsoft Ignite 2025のこのセッションでは、IntuneとAIの融合によるIT管理の進化が大きなテーマでした。Intuneは、さまざまなデバイスやOSを一元管理できるだけでなく、AIの力を活用することで、業務効率化・セキュリティ強化・自動化など、現場の課題を幅広く解決できるようになっています。
AIによる自動化や分析機能は、管理者の負担を減らし、より戦略的な業務に集中できる環境を作ります。さらに、セキュリティ対策やコンプライアンス管理もAIがサポートすることで、企業全体の安全性と信頼性が向上します。
今後の展望としては、AI技術のさらなる進化により、IT管理はますますスマートで柔軟なものになっていくでしょう。現場のニーズに合わせた自動化や、より高度なセキュリティ対策が実現され、IT管理者は新しい価値創造に取り組めるようになります。
要するに、IntuneとAIの組み合わせは、これからのIT運用に欠かせない存在となり、企業の成長や変革を力強く支えていくと期待されています。

 

おまけ

 

このセッションではたくさんの参加者がおり、Intuneの新機能に関する興味が高いことが感じられました。

個人的にはIntuneを利用している中でポリシーの反映に時間がかかっていたことが改善されたと話していたので本当に改善されたのか現場で確認してみたいと思います。

 

以上です。