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HPE SimpliVity:最新HVM版とvSphere版をユーザー視点で徹底比較!

皆さんこんにちは!

ネットワールドのストレージ担当、片山です。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社のHCI製品”HPE SimpliVity”についてご紹介していきます。従来の”vSphere版SimpliVity”と、最近リリースされた注目のHPE Morpheus VM Essentials Software(以下、HVM)版SimpliVityとの違いを、ユーザー視点で何回かに分け比較していきたいと思います。

※ HVMやVMEと製品略称が複数ありますが、HVM、VMEどちらの略称を使っていただいても大丈夫です!

今までSimpliVityはvSphere版がメインストリームとしてアップデートされてきた製品だったため、多くの方が気になっているのが新しくリリースされた HVM版 SimpliVity ではないでしょうか。

”SimpliVity with HVM”取扱製品説明へ

注目されている製品ですが、HVMを聞いたことがない方々もいらっしゃると思います。一言でいいますと、Linux KVMをベースとしてHPE社が開発とサポートをする仮想化基盤製品です。ハイパーバイザーは”HPE Morpheus VM Essentials Hypervisor”を利用します。管理ソフトウェアには”HPE Morpheus VM Essentials Manager(以下VME Manager)”を使ってHVM環境を管理します。またVME ManagerではHVMに限らずvCenterを登録してvSphere環境の管理も可能です。さらに”HPE Morpheus Enterprise”というライセンスにアップグレードすることでその他ハイパーバイザーやクラウド環境を含めた統合管理もできる製品です。

そして、ついにHVM基盤で動作するSimpliVityも昨年リリースされました。皆様にご好評なSimpliVityの独自機能である 秒速バックアップ、重複排除・圧縮、SDSとしてデータストアの提供およびデータ保護はしっかりとHVM版のSimpliVityへも引き継がれていました!

本記事では HPE SimpliVityの観点に絞って解説 していきます。HVM自体について詳しく知りたい方は「ネットワールドらぼ」内にもブログ記事がありますので、気になる方はこちらから!

 HPE, Morpheus, VM, Essentials, Software 関連記事 - ネットワールド らぼ

 

HPE SimpliVityとは?簡単におさらい

SimpliVityは2017年にリリースされたHCIのアプライアンス製品で、当初はHyper-V版などもありましたが、vSphere版が開発メインとなり2026年1月現在では vSphere 8.0 まで対応しています(※執筆時点)vSphere版のSimpliVityはSimpliVity Software 5.xというバージョンがリリースされており、SVC(SimpliVity Virtual Controller)と呼ばれる管理VMがESXiと共に展開されます。

ちなみにSVCは以前OVC(OmniStack Virtual Controller)という名称でしたが、最近はSimpliVityのOSバージョンも含め”OmniStack”から、”SimpliVity”という名称に変更されています。そのため、2つの名称が文献などで混在することがありますが同じものを指します。

SVCは、SimpliVityを理解する上で必ず理解する必要があります。SVC自体には管理GUIがなく、サポートの指示や、一部の動作確認や設定変更の際にSSHでログインしてCLIコマンドを実行する程度しか利用しないため、一見何もしていないようですが非常に重要です。

このSVC自体は各ノード上に必ず1台稼働しており、SimpliVity plug-inをvCenterにインストールすることで機能連携し、vCenterからVM管理を含めてSimpliVityとしてのほぼ全機能を提供し統合的に管理することができます。

文章だけでイメージを伝えるのが難しかったので、vSphere版のSimpliVityの機能と概要説明のため簡単な図を作ってみました。SVCはHCIとしての様々な機能を提供しています。(下図を参照)

※Arbiter(アービター)は2ノード構成時のみスプリットブレイン対策用で必要です。

 

SimpliVityの特徴とHVM版の違い

HVM版での一番の変更点はハイパーバイザーHVMへ、管理には vCenterの代わりとして主としてVME Manager でHCI全体を管理します。

SimpliVityとしてのアーキテクチャはHVM版とvSphere版で大きな違いはありません。また、HVMでもvSphereのStandardライセンスに相当する機能はサポートされています。さらに他の仮想化製品からHVMで利用できるQCOW2イメージへの変換機能も実装されており、現在はスタンドアロンや小中規模環境で利用されていて他の仮想化環境も検討したいユーザーにとっては有力な選択肢となるかなと思います。またVME ManagerではSimpliVityホストだけでなく、vCenterも登録することができHVMと一緒に既存のvSphere環境も管理することができたりします!

 

vSphere版、HVM版との管理GUIの違いについて

今回の利用するバージョンは2026年1月時点の最新"SimpliVity Software 6.2"を利用しています。HVMを触ったことがないユーザーも気になるvSphere版との管理GUIの違いに絞って説明していきたいと思います。

まずはHVM版の場合もブラウザでVME ManagerのIPアドレスに接続して、VME Managerへログインしていきます。vCenter同様にWeb管理GUIが表示されます。

今回、最初に表示されるHVM版のダッシュボードとvSphere版のフェデレーションの概要画面について比較していきます。vSphere版(左)、HVM版(右)にもほぼすべての機能が含まれていることが確認できますね!ちなみにHVM版ダッシュボードなども同じSimpliVityダッシュボード下部に一緒に表示されます。(表示順はカスタム可能)

 

①[HPE SimpliVity非HA準拠仮想マシン]

ノード間でのVMのミラー(データ保護)ができている状態を示し、ここでは非準拠の仮想マシンが0台ということでクラスタ内の仮想マシンの保護が正しくされていることを確認できます。

②[HPE SimpliVity Virtual Controller状況]

SVCというSimpliVityのすべての独自機能(ストレージ、バックアップ、その他…)を提供する管理VMのステータスが表示されています。

③[HPE SimpliVityクラスター領域サマリー]

SVCでSSDを束ねたSDSとしての物理容量に対しての圧縮率、重複排除率、実使用容量がどのくらいかを確認することができます。

④[SimpliVityバックアップサマリー]

SimpliVity独自のバックアップ機能の成功、失敗をカウントしてサマリーで確認できます。失敗しているバックアップがあればすぐに確認できます。

⑤[HPE SimpliVity管理情報]

plug-in情報、SVCのIPアドレスなどの情報が確認できます。

⑥[仮想マシンレプリカの詳細]

仮想マシンの保護状態を示していて、SDS上のVMデータに対してどのSVCがプライマリ、セカンダリになっているかについて確認することができます。

⑦[HPE InfoSight]

HPE InfoSightへのクラスターの接続状況などが確認できます。(vSphere版のみ)

HPE InfoSightとはクラウドからリソース監視や使用状況、自動通報などができるHPEクラウドサービスです。製品を購入すれば無償で利用可能です。(連携設定は必要)

 

HVMダッシュボードとvSphereのフェデレーション概要画面において、双方での違いは少なかったと思います。一部InfoSight連携情報については管理GUIで確認ができませんでした。まだHVM版にも制限事項がありすべてに対応しているわけではないため、今後のアップデートで追加がされていくのではないでしょうか。

ということで、HVM版でも大体のSimpliVityメイン機能は対応していましたね。ちなみにHVM版もInfoSightに対応しているため、自動通報やクラウド上からクラスタ利用状況の監視が可能です。

以下はInfoSightからHVM版SimpliVityを確認した画面で、クラスタでの利用リソース等を確認することができています!

<まとめ>

簡単にHPE SimpliVityのHVM版について紹介をしてきましたが、既存ユーザーも興味を持たれた方もSimpliVityという観点では違和感なく操作できそうと思えたのではないのでしょうか。今後もHVM版SimpliVityのアップデートも順々に進んでいき、フル機能が使える日も近いのではと考えています。次回以降はVME Manager操作メニューやバックアップ・リストアや、その他操作の違いなど確認していきます。

是非次回もご覧いただければと思います!