今回は「Azure 上で SharePoint Server 2016 オフラインインストールしてみよう!」
の後編となります。
前回の投稿はこちらです。
https://blogs.networld.co.jp/main/2018/05/azure-sharepoin-caa6.html
後編は引き続き以下の導入ステップ 4~6 についてご紹介していきたいと思います。
1.Azure クイックスタートテンプレートによるAD 仮想マシンの展開
2.ギャラリーからのSQL Server 2016 仮想マシンの展開
3.WebPIを利用したWorkFlow Managerのオフラインインストール
4.SharePoint前提条件のオフラインインストール
5.SharePoint Server 2016 のオフラインインストール
6.Workflow Manager の初期設定と SharePoint Server 連携設定
4. SharePoint前提条件のオフラインインストール
SharePoint導入に必要な前提条件はインストールCDの「prerequisiteinstaller.exe」
を実行する事で、SharePointの前提となるソフトウェアを自動でインストールします。
こちらも通常ですと Workflow Manager と同様にインターネットに繋がっている事を
前提としています。
インターネット接続出来ないオフライン環境でインストールするには、前提のコンポー
ネントを個別にダウンロードする必要があります。
以下のSharePointサポートチームブログに個別にダウンロードが必要な記載されて
おりますので、こちらからダウンロードしたファイルをインストールCDの
「prerequisiteinstallerfiles」のフォルダにコピーします。
※インストールCDの中身は事前にサーバーの任意の場所にコピーしておいてください。
SharePoint Server 2016 のオフライン インストール
今回はFドライブのSP2016ファルダ配下にインストールCDのコピー先としましたので
「PrerequisiteInstaller.Arguments.txt」は以下の記載となります。
/sqlncli:"F:\SP2016\prerequisiteinstallerfiles\sqlncli.msi" /ODBC:"F:\SP2016 |
この「PrerequisiteInstaller.Arguments.txt」 を 「PrerequisiteInstaller.exe」と
同じ場所に配置し、実行します。
参考:実行時にテキストファイルの記載に誤りがあるとエラー画面が表示されるので、
ログファイルを確認し、テキストファイルに誤りがあれば修正してください。
5. SharePoint Server 2016 のインストール
前提条件のインストールが完了すれば、あとはSharePointの通常のインストールの
ステップを進める形となります。
インストール手順に関しては以下のサイトで解説されていますので、ここでは手順の
ステップは割愛し、インストール・初期設定時のパラメーターを記載させて頂きます。
SharePoint Server 2016 を 1 台のサーバーにインストールする
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/install/install-sharepoint-server-2016-on-one-server
SharePoint 2016 のインストール
設定項目 |
既定値 |
参考設定値 |
備考 |
ファイルの場所 2016) |
C:\Program Files\Microsoft Office Servers |
既定値と同じ | |
ファイルの場所 (検索インデックス ファイル) |
C:\Program Files\Microsoft Office Servers\16.0\Data |
既定値と同じ |
SharePoint 製品構成ウィザードの実行
設定項目 |
既定値 |
設定値 |
備考 |
サーバーファームへの接続 |
●既存のサーバー ファームへの接続 ○新しいサーバー ファームの作成 |
○既存のサーバー ファームへの接続 ●新しいサーバー ファームの作成 |
|
データベース サーバー |
(空白) |
<データベースサーバー名> |
|
データベース名 |
SharePoint_Config |
||
ユーザー名 |
(空白) |
SPS\Spfarm |
|
パスワード |
(空白) |
******** |
|
(空白) |
******** |
||
サーバーの役割 |
○フロントエンド |
○フロントエンド |
|
|
○アプリケーション ○分散キャッシュ ○検索 ○ユーザー設定 ○単一サーバー ファーム |
○アプリケーション ○分散キャッシュ ○検索 ○ユーザー設定 ●単一サーバー ファーム |
|
ポート番号 |
□ポート番号を指定する |
■ポート番号を指定する 55555 |
|
セキュリティ設定の構成 |
○NTLM (Kerberos) |
●NTLM (Kerberos) |
ファーム構成ウィザードの実行
設定項目 |
既定値 |
設定値 |
備考 |
サービス アカウント |
○既存の管理アカウントを使用する ●新しい管理アカウントを作成する ユーザー名 (空白) パスワード (空白) |
○既存の管理アカウントを使用する ●新しい管理アカウントを作成する ユーザー名 SPS\Spsvc パスワード ******** |
|
サービス アプリケーション |
■App Management Service ■Business Data Connectivity Service □Lotus Notes Connector ■Machine Translation Service ■Managed Metadata Service ■PerformancePoint Service Application ■PowerPoint Conversion Service Application ■Project Server Service Application ■Search Service Application ■Secure Store Service ■State Service ■Usage and Health data collection ■User Profile Service Application ■Visio Graphics Service ■Word Automation Services ■Workflow Service Application |
||
サービス |
|||
サイト コレクションのタイトル |
(空白) |
トップ |
|
URL |
/ |
||
テンプレートの選択 |
チーム サイト |
6. Workflow Manager 初期設定とSharePoint 連携設定
前回投稿のステップ 3 でインストールしたWorkflow Manager の初期設定として
Workflow Manager ファームの作成を行います。
ファームの作成に関しては、下記の情報を参考にして頂ければと思いますが
簡単に設定ウィザードの流れをご説明していきます。
新しいファームの作成
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/jj193514(v=azure.10).aspx
Workflow Manager 構成ウィザードが起動します。
[既定の設定を使用して Workflow Manager を構成する(推奨)] をクリックします。
[新しいファームの構成] 画面で下記設定を行います。[→]をクリックします。
SQL Server 名 (FQDN) |
|
認証 |
Windows 認証 (デフォルト) |
サービス アカウント名 |
AccountName@DomainName |
このコンピューターの HTTP によるWorkflow 管理を許可する |
チェックあり (デフォルトはチェック無し) |
このコンピューターのファイアウォールルールを有効にする |
チェックあり (デフォルト) |
証明書生成キー |
任意のキー |
メモ:既定では、HTTPSを使用して通信します。そのため、HTTPによるワークフロー
管理を許可する場合は、[このコンピューターの HTTP による Workflow 管理を
許可する] チェックボックスをオンにします。
[概要] 画面で構成を確認します。[✔]をクリックします。
構成が完了したことを確認します。
下記画面が表示されたらインストールは完了です。
[完了] をクリックします。
最後のステップは、SharePoint サーバーと Workflow Manager の連携設定を行います。
連携方法としてはHTTPSまたはHTTP接続での連携となりますが、今回はHTTP接続を
前提としたステップとなります。
設定方法としては、SharePoint 管理シェルを利用して以下のコマンドを実行します。
Register-SPWorkflowService –SPSite "http://(SharePointサーバー)" –WorkflowHostUri http://(Workflow Managerサーバー):12291–AllowOAuthHttp |
実行後、SharePoint サーバーの全体管理にアクセス、アプリケーション構成の管理>サービス アプリケーション>サービス アプリケーションの管理>Workflow Service Applicationを選択します。
「ワークフローは接続されています」が表示されていれば設定は完了です。
今回は Azure クイックスタートテンプレートを利用して、SharePoint Server 2016
簡易評価環境をオフラインインストールで構築するステップを紹介しました。
Azure上で敢えてオフラインインストールというだいぶニッチな内容ではありましたが
オンプレミス環境でも同様の手順で環境構築にも活かせますので、是非試して頂ければ
と思います。
今回はSharePoint環境構築のみとなりますが、ワークフロー機能等を具体的な設定方法
などは以下のガイドが公開されていますのでこちらを参考して頂ければと思います。
Microsoft SharePoint Server 2013 ワークフロー活用ガイド
最後に弊社から改めてご案内をさせて下さい。
前回の投稿でもご案内しておりますが、弊社はMicrosoftのCSPパートナー契約を結んで
います。
CSP(Cloud Solution Provider)とはOffice 365やAzureなどマイクロソフトの
クラウドサービスを月額課金方式で再販する新しい販売モデルです。
クラウドを中心としたビジネスにおいて継続的に利益を上げるには、安定した
月額課金型ビジネスを通じてお客様との中長期的な関係を構築する必要があります。
CSPはこうしたビジネス環境の変化に対応し、パートナー様が他社との差別化を図り、
顧客ニーズに沿ったパートナー様独自の付加価値を提供することによって収益性の
向上と新たなビジネスチャンスを創出するためのプログラムとなっています。
弊社ではCSPリセラー様を募集しており、CSPリセラー様への各種支援策を実施中です。
Office 365やAzureの月額課金販売に興味があり、導入時の技術支援が必要なパートナー様は
是非弊社営業またはms-solution@networld.co.jpまでご相談ください。
今回も最後までご覧いただきましてありがとうございました!
投稿者:津久井