今日から米国のニューオリンズで開催されているNutanix .NEXT CONFERENCEでKeynoteが始まりました。初日は朝と夕方の2回に分けてKeynoteがあり、以下のような新しい発表がありました。
■Nutanix Beamの発表
Nutanix社が今年買収したMinjar社のBotmetricと呼ばれる製品をNutanixブランドとして「Nutanix Beam」が発表されました。Nutanix Beamはマルチクラウドで構成されるエンタープライズクラウドの管理を支援する製品としてNutanix社として初めてSaaSサービスとして提供されるようです。
Nutanix Beamは以下のようなPrismライクな画面を通じて、現在のところ2大パブリッククラウドである、AWSとAzureの管理を行うことができます。それらのパブリッククラウド上のインベントリ情報から、自動的に「コストガバナンス」「セキュリティコンプライアンス」の分析・レポートを行うことができます。
Nutanix社からの公式な発表は以下にあります。
Nutanix、新しいSaaSサービス「Nutanix Beam」を発表。 企業によるクラウドのコントロールを実現
Nutanix Beam Gives Enterprises Control of the Cloud
Nutanix Beam – Multi-Cloud Governance At Your Fingertips
既にNutanix社の製品ページから試用版の申し込むとすぐに試していただくことができます。
https://www.nutanix.com/products/beam/
■Nutanix Flowの発表
Nutanix BeamのベースとなっているMinjar社と同時期に買収されたNetsil社がAOS 5.6で正式にサポートされたマイクロセグメンテーションと連携するようになるという発表でした。Nutanix Flow自体はAOSのネットワーク部分の総称であり、マイクロセグメンテーション=Nutanix Flowではありません。弊社でもLenovo社やMellanox社のスイッチとの検証を行ったネットワーク自動化や今後エコシステムの拡充が期待されるサービスチェイニングなどすべての機能を総称してNutanix Flowと呼ばれるのです。
Netsil社自体は、New Relic社や現在はCisco社に買収されたApp Dynamics社のようにアプリケーション監視のSaaSを提供するベンダーでした。仮想マシンやコンテナ上で稼働するアプリケーションの依存関係の可視化や、利用するリソースやアプリケーションのステータスを可視化することが可能です。特にアプリケーションの依存関係の可視化については他製品の仕組みと異なり、エージェントレスでネットワークをキャプチャして通信内容から可視化することができるそうです。
Netsil社のドキュメントを確認する限り、アプリケーションのリソースやステータスの確認には、Datadog社のエージェントを利用したメトリックベースの収集を行い、Netsilのダッシュボードで可視化するようです。OSSで有名なHadoopやMySQLなどばかりでなく、WindowsやvSphereなどもサポートしていることがわかりますね。
こうしたNetsilが実現するアプリケーションの可視化の機能をマイクロセグメンテーションの機能と統合していくことが発表されました。ちょうどVMware社がvRealize Network Insightでアセスメントした結果をVMware NSXのマイクロセグメンテーションのポリシーに取り込むような流れをNutanix社も実現しようとしているようです。
個人的にはアプリケーションの依存関係の可視化もそうなのですが、アプリケーションモニタリングがPrism Centralに統合されると「アプリケーションの応答速度が閾値を超えたらCalmからアプリケーションサーバを追加する」「データベースサーバからの応答速度が閾値を超えたらCPU,メモリを追加する」みたいなことができるのではないかと期待しています。
Nutanix社からの公式な発表は以下にあります。
Nutanix Flow Delivers Software-Defined Networking to Secure Applications with a Single Click
■Nutanix Eraの発表
そしてDay1のセッションでお決まりの最後にもうひとつ(One more thing...)で発表されたのが、Nutanix Eraと呼ばれるデータベースサービスです。最近バックアップソフトベンダーもこぞって参戦しているCopy Data Managementをまずはデータベースに特化して提供する機能になるようです。Copy Data Managementで有名なActifioなんかをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
動作アーキテクチャ的にはEra用の仮想アプライアンスを展開して、その仮想アプライアンスがDBの差分データを時系列含め保存することで任意のタイミングにデータベースを復旧できるタイムマシン的な機能を提供するとされています。データベースアプリケーションがもつレプリケーションの仕組みを利用して、参照用データベースサーバさえNutanixクラスタ内にあれば物理サーバのデータベースであっても利用可能というのは適用範囲を考えると面白いと感じました。こうしてEra用の仮想アプライアンスに作成された情報をベースに新しい仮想マシン作成時にデータベースデータだけ本番環境のクローンを使うといったようなことを容易に行えるようにしています。
Nutanix社からの公式な発表は以下にあります。
Nutanix Introduces Database Services with Era
Nutanix Era: Databases Made Simple
■フィードバックセミナーのご案内
.NEXT 2018 ニューオリンズの最新の情報をフィードバックセミナーを通して共有させて頂きます。
今回紹介した3つの新製品・機能に関してできるだけお伝えする予定です。
ご興味がある方は是非こちらにご参加頂ければ幸いです。
大阪: 2018.05.25(金) 14:00~17:25
東京:2018.05.29(火) 14:00~17:25
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