こんにちは、ネットワールドの海野です。
今回も Azure 上にある仮想マシンを手作業で Nutanix AHV に移行する方法を紹介します。
前回は Windows の仮想マシン移行についてご紹介しましたが、今回は Ubuntu ではどうなのかという内容でご覧いただきます。
ただし、Nutanix では Move での移行を強く推奨しているようですので、今回の手順も参考程度として捉えていただけるとよろしいかと思います。
この記事ではざっくりした手順をご紹介するものであり、Nutanix の KB にも手順が掲載されていますので、併せてご参照ください。
注意書き
この記事もあくまで「こんな手順でできたよ」というものを示すものであり、あらゆる責任や何らかの保証を担保するものではありません。
ご自身の責任において実施いただくようお願いいたします。
Azure 上にある Ubuntu の仮想マシン
既に稼働してある Azure VM (Ubuntu 20.04) を想定しています。
Azure 上の Ubuntu には既に SSH での接続が完了している前提で、以下のコマンドを利用し、Nutanix AHV のドライバーである VirtIO がインストール済みであることを確認します。
root@linux# grep -i virtio /boot/config-`uname -r`
なお、上図の=yや=mについて、前述の KB を参照しますと
CONFIG_VIRTIO_PCI の「=y」は、VirtIO PCI ドライバーがロード可能なカーネル モジュールとしてではなく、カーネルに直接組み込まれていることを示します。
ただし、CONFIG_SCSI_VIRTIO の「=m」は、VirtIO SCSI ドライバーがロード可能なカーネル モジュールとしても利用可能であることを示します。
とのことです。
いずれにせよ VirtIO が Ubuntu のカーネルに直接組み込まれている、あるいはロードが可能な状態になっていることがわかります。
Azure VM の停止 と ディスクのエクスポート
これも前回の手順と同一ですが、念のためご紹介しておきます。
Azure Portal の仮想マシンメニューから [停止] を選択し、仮想マシンの状態が [ 停止済み (割り当て解除) ] になっていることを確認します。
対象となる Azure VM のディスクを選択します。
さらに左のメニューから [ ディスクのエクスポート ] を選択し、[ 安全な URL の生成 ] から [ URL の生成 ] をクリックします。
ここでは特に要件もないのでデフォルトの3600秒にしてあります。
生成された URL から仮想ハードディスクファイル (.vhd) をダウンロードします。
Nutanix AHV にインポートする
PRISM の画面の右上にあるギアアイコンをクリックし、左メニューから [ イメージ設定 ] を選択、さらに [ イメージをアップロード ] をクリックします。
[ Name ] 欄に適当な(わかりやすい)イメージ名を入力し、 [ Image Type ] は [ DISK ] を選択します。
[ Storage Container ] も各環境における適切なものを設定しておいてください。
今回は既にダウンロード済みの VHD ファイルを指定しますので [ Upload a file ] から先ほどのファイルを指定しました。
AHV 上でインポートしたディスクを使って仮想マシンを再作成する
PRISM の仮想マシンメニューから新規に [ 仮想マシンを作成 ] します。
仮想マシン名や CPU 、メモリ搭載量などは適宜入力してください。
前回の UEFI 対応の Windows Server と異なり、今回の Ubuntu では Lagacy BIOS を選択します。
なお、DISK は先ほどインポートしたディスクを仮想マシンに接続するために [ Add New Disk ] をクリックします。
タイプは [ DISK ] とし、[ イメージサービスからクローン ] を選択します。
イメージは先ほどインポートしたディスクを指定します。
環境に応じて適宜 NIC も追加し、設定が完了したら [ Save ] をクリックします。
仮想マシンが作成されたら [ Power on ] します。
Ubuntu が起動してきました。
これはオマケですが、Azure 上で稼働していたUbuntu にインストール済みの SQL Server Express もシステムデータベースがきちんと SELECT できています。
この記事が何かのお役に立てれば幸いです。
なお、この記事は Nutanix Advent Calendar 2022 の 25日目の記事として投稿されました。
得意ジャンルは EUC で、好きなジャンルは無心でできるコーディング。