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SSDについてはコントローラのキャッシュ(現金)が全てではない

本ブログエントリーはPernixData社のブログのAndy Daniel氏のブログの翻訳版です。

本記事の原文はWith SSD, controller “cache” is not kingで閲覧可能です。
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PernixDataはフラッシュ仮想化のソフトウェアイノベーションを常にリードすることだけでなく、サーバサイドフラッシュハードウェアの情報源となることでお客様を手助けできればと考えています。そう考えた上で、この投稿は適切なサーバハードウェアの構成について、本シリーズでの最初の投稿になります。

FVPは「頭脳」、サーバサイドフラッシュは「筋肉」と考える事ができると我々のお客様担当の一人であるChris Floydはよく説明します。私はこの例えが大好きですが、もし筋肉に損傷があり、身動きの取れない場合はどうなるのでしょう?いくら賢くても、データセンターのスーパーヒーローコンビの片割れだけになってしまった頭脳だけでできる事はたかが知れています。残念なことに、この状況を実際に起こっている状態が、SSDベースのフラッシュをHBAが適切に構成されていない状態で使用している場合です。

FVPの評価や実証実験(PoC)の一部で、チームが最初に取り掛かるのはハードウェアを最適に構成できる様ユーザを手助けする事です。以前に投稿した「ホストローカルFVPアーキテクチャのための設計上の考察」 という記事でFrank DennemanはHBA構成について触れました。彼はそこで、JBODを使用するのが理想的だが、無ければ単一のドライブをRAID 0構成にすることを勧めると述べています。ここから初めるのが最もよく、さらにパフォーマンスを最大限SSDから引き出すには様々なハードウェアキャッシュ構成まで考える必要があります。財務会計の場合と異なり、この「キャッシュ(訳註:財務の場合はお金!)」は必ずしも王様ではありません。最大限のパフォーマンスへの鍵はキャッシュをどこで、どう使うかです。

「仮想ディスク」、もしくは「論理ドライブ」のキャッシュ – これはHBAのボード上に搭載されたメモリーです。このメモリーはESXiの論理ディスクと物理ディスクの根本的アレイの間のバッファとして使われています。一見このキャッシュを有効にするのはあたりまえだとも思えますが、残念ながら、このキャッシュは従来からの回転ディスク/回転式ディスク/スピニングディスクの読み込みと書き込み向きにチューニングされているのです。多くのメーカーは「先読み」アルゴリズムや他にチューニング可能なパラメーターを組み込んでいますが、SSDの速度が(訳註:あまりに早いため)ほとんど効果が失われてしまいます。実際に、LSIコントローラ(Dell PERC & IBM ServeRAIDなどもそうです)でFastPathTM の様なSSDパフォーマンスを向上される機能を有効にするには仮想ディスクキャッシュを無効にする必要があります。こうすることで入出力プロセスを実行する前に必要な命令数を減らし、フラッシュのマイクロ秒単位のレイテンシをより上手く活用できるようになります。これはFVPの設計原理の根本と同じだと言えるでしょう。

物理ディスクキャッシュ - これはHBA上で構成するものの、実際にはHBAと物理フラッシュの間のバッファとしてSSD内に用意されたメモリーです。物理ディスクキャッシュが有効になっている場合、パフォーマンスは大幅に改善されますが、揮発性メモリーが使用されているため、停電や機器の故障によるデータの損失や破損が生じる可能性があります。データの損失の可能性があるため、大抵のHBAデフォルト設定では無効にされています。幸いにも、殆どのエンタープライズ向けのSSDにはちょっとした細工が施してあります。その細工とはボード上にコンデンサが搭載されている事です。このためディスクコンポーネントが揮発性メモリーの中身を不揮発性のフラッシュに移すまでに十分な動力源となってくれます。もちろん、このキャッシュを有効にする前に念のため、使用しているSSDが「データ損失保護」をサポートしているかを確認してください。例として、私達のお気に入りの二つ、Intel DC S3700 とSamsung SM843Tの両シリーズのドライブはこの機能をサポートしています。

Fig16

簡潔に纏めると、SSDを最大限のパフォーマンスで使用したい場合、仮想ディスクキャッシュには手を出さず(利用せず)、データ損失から(コンデンサによって)保護された物理ディスクキャッシュを活用するという事です。もし貴方がフラッシュを利用出来る準備が整い、新しいサーバサイドストレージのパラダイムを経験したいのであれば、https://www.pernixdata.com/trialまで声をお掛けください。(訳註:国内での評価版の申請は本ブログのアンケートより申請可能です。)喜んでできる限りの手助けをさせていただきます。

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)