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ストレージSEがVxRailをVeeamでDDへバックアップしてみた!!!

皆さんこんにちは!
ネットワールドのストレージ担当の片山です。

今回はストレージ専門SEがVeeamを触ってDDをバックアップ保存先として設定してVxRail上の仮想マシンをバックアップしてみた!という内容で実施していきたいと思います。実は昔バックアップ製品を触ってはいたのですがVeeamについてはズブの素人です。そんな初心者でもVeeamを使ってDellストレージ製品をバックアップすることができるのか?!是非、楽しんでいっていただければと思います。

Dell Technologiesにもたくさん優秀なデータプロテクション製品が数多くありますが、あえて今回は他社製品ではありますが同じく色々なストレージメーカーや製品に対応したVeeam Software社のVeeam Backup & Replication11(以後VBR)を使ってみようと思います。皆様はすでにご存じですよね?
最近流行りのバックアップソフトです。ちなみにVBRの評価版を利用するためにはアカウント登録が必要になります。登録をすれば30日間ほぼフル機能を試すことができるため導入などが既に決まっていて、事前に試す必要がある方などはとてもおススメです!

<バックアップ環境の説明>
vSphere ESXi上のWindowsサーバーにVBRをインストールしています。またバックアップ保存先にはPower Protect DD Virtual Edition(以後DD、DDVE)DD boost経由でVxRailのvSAN上の仮想マシンをBackup Proxy経由でバックアップしていきたいと思います。

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<バックアップ検証環境の構築>
まずはWindowsサーバーへVBRのインストールから進めていくのですが、こちらについてはWeb上に資料がたくさんありますので、今回インストール方法は割愛しています。

VBRのインストールの完了後は、DD側でDDBoostの設定を試していたいと思います。本環境ではDDVE 7.9.0.10と比較的に新しいもの使いました。DDVEについても90日間は評価版として可能なので簡単に試すことができます!
DDVEのセットアップ方法についてはDELLコミュニティ内にもいくつもありますのでここでは割愛し、バックアップソフトと連携するために必要なDDBoostの設定だけにピックアップしてみたいと思います。

ちなみにDDBoostについては、昨今ランサムウェア対策において同DDBoost保存領域に対して通常のCIFS、NFSなどの一般的な共有をかけなければ、DDBoostという特殊なプロトコル経由でのバックアップやデータ保持ができるためマルウェアなどからアクセスされにくく、ここ最近では注目度がさらに上がっていますよね!

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さて、DDVEのsysadminパスワード、IPアドレスなどの初期設定を終えてFileSystemまで作成した後、次にDD Boost設定をしていきます。DDBoost設定について初期セットアップ完了後は[Disable]になっています。利用するためにはDD Boost設定を[Enable]へ変更していきます。次に[Users with DD Boost Access]にDD boostプロトコルを利用するユーザーを定義します。ここでは個別ユーザーであるddboostというユーザーを作成しています。ユーザーの[Management Role]についてはなしで問題ありません。

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DD Boost設定ウィンドウの真ん中ぐらいにある [STORAGE UNIT] タブをクリックします。ここでDD Boostのバックアップ先ストレージユニットを作成します。そこに1つ前で作成したddboostへのアクセスユーザーを指定します。ただDD Boostを利用するだけであればDDVE側はこれだけで準備が完了です!

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次にVBRメイン画面の左側ナビゲーションペインから[Backup Infrastructure]⇒[Backup Repositories]をクリックして、[Add Repository]をクリックします。[Name]にはDataDomainというリポジトリ名を指定、IPアドレスを入力、先ほど作成した[Credentials]先ほどDDVE側で作成したDDBoostで利用するユーザー情報を入力します。続けてStorage Unitを指定していきます。[Mount Server]は一旦そのままで大丈夫です。

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※ 本検証はベストプラクティスでは設定していません、ご利用される場合は注意してください

次に、VBRにVxRail環境をバックアップできるように、左側のナビゲーションペインから[Backup Infrastructure]⇒[Managed Server]⇒[VMware vSphere]メニューで[Add Server]ボタンをクリックします。VxRailのvCSAのIPアドレスと認証情報を登録していきます。すると一覧にVxRailクラスタの一覧が表示されます。

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一応、これだけでも準備は完了なのですが、今回はVMware Backup Proxyを作ってからそちらを使ってバックアップをしてみたいと思います。

作成自体は以外と簡単でした。事前に仮想マシンをvSANデータストアに新規デプロイをしてWindows OSをインストールします。次にVBRから接続可能なIPアドレスを設定しておきます。Proxyサーバー側もDNSサーバーがあればvCSA、ESXiホストの名前解決、ない場合はhostsにバックアップ対象を記載しておいてください。(実は検証過程でProxyからの名前解決ができず、何度かバックアップが失敗していました。)

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次にナビゲーションペインの[Backup Infrastructure][Backup Proxy]をクリックします。次に[Backup Proxy Add]ボタンをクリックして、前に作成した仮想マシンのIPアドレスを入力していきます。そのままウィザードを進めるとProxy機能がプッシュインストールされます。コンポーネントによってはOS側の再起動が必要なことがあるかもしれませんがこれで完了です!

 

<バックアップの実行>

最後にVxRail上の仮想マシンをバックアップしていきたいと思います。仮想マシンを選択して[New Job]をクリックします。[Backup Proxy]設定は先ほど作成した仮想マシンを指定します。そのままウィザードを進めて[Run the job when I Click Finish]にチェックを入れ、[Finish]をクリックします。

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そのまま問題なくvSAN上にある仮想マシンのバックアップは成功しました。何度かバックアップしているためフルバックアップでも328秒ぐらいで終わっています。初回フルバックアップは716秒かかっているため2回目以降は重複排除が効いていそうですね。

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<リストアの実行>

最後にリストアを試していこうと思います。左側のメインツリー上の[Home]に戻り、[Backups]からリストアしたい仮想マシンを選択して、右クリックから[Restore entire VM…]をクリックから、リストア対象が正しければそのまま次へ、リストアメニューが表示されますので、[Restore to new location or different settings]を選択して次へ、そのままウィザードではホストの変更やディレクトリ、リソースプールなどそのままでよければ次へ進みます。リストア後のインベントリ名だけ変更する必要があるため変更してリストアを開始します。

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リストアが完了しました。問題なく仮想マシンがパワーオンでき、リストアしたOSへのアクセスも可能なことが確認できました。

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さて、いかがでしたでしょうか。

あくまでストレージSEがやってみたレベルの検証のためひじょーに詳しい方はご容赦くださいね・・・!?

さあ、仕切りなおして今回はDell Technologies製品とVeeamとの連携になりますが、DDとVxRailも含めすんなりと設定ができ非常に使いやすかったですね!今回検証で利用したVxRail以外のPower Protect DD Virtual EditionとVeeam Backup & Replicationの両方とも購入せずとも評価版でほぼすべて機能を試すことが可能なため、導入予定で興味のある方は是非試してみてはいかがでしょうか?!

今回の情報が皆様のお役に立てれば幸いです。

次回もまた別の話題でお会いしましょう。それでは!!

 

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