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Acropolis ファイルサービス(AFS)でのデータの分散について

本記事の原文はNutanixコミュニティのブログNutanix Connect Blogの記事の翻訳ヴァージョンです。原文の著者はNutanix社のSr Technical Marketing EngineerであるDwayne Lessner氏によるものです。原文を参照したい方はData Distribution with Acropolis File Services (AFS)をご確認ください。情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。

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AFS(Acropolisファイルサービス)で作成の出来る共有(シェア)には2つのタイプがあります。それはホームシェア(Home Share)と一般シェア(General Share)です。一般シェアは作成時には6つのvDiskからなるヴォリュームグループによって形成されています。ホームシェアはクラスタを形成するファイルサーバ仮想マシン毎に5つのヴォリュームグループから構成されています。ですから、小さな構成のAFSでも15のヴォリュームグループでホームシェアを構成することになります。ホームシェアはAFSを展開すると自動的に作成されます。

Fig183AFSで利用されるヴォリュームグループ

ホームシェアはファイルサーバを構成するファイルサーバ仮想マシンのトップレベディレクトリを分割することでデータを分散します。AcropolisファイルサービスはそれぞれのファイルサーバVMが内部のInsightDBと呼ばれるスケールアウト型データベースを利用してどのディレクトリをどのファイルサーバVMが担当するかのマッピングを行います。

Fig184ホームディレクトリシェアの分散

もしユーザーが「\\FileServer1\Users」というシェアを作成し、その中に「\Bob」、「\Becky」、「\Kevin」というトップディレクトリがあったとすると、「\Bob」はファイルサーバ仮想マシン1上に、「\Becky」はファイルサーバ仮想マシン2に、「\Kevin」は3にと、そのように配置されます。ファイルサーバ仮想マシンディレクトリ名についての文字列のハッシュアルゴリズムをベースとして、トップディレクトリを分散します。

この分散によって、単一シェアを利用するユーザーが非常に大きくなっても対応が可能です。拡張性による問題から、従来からの設計では管理者はシェアを複数作る必要がありました。例えばその最たるものとしてラストネームがA~Mで始まるユーザーのためにコントローラーを一つ割り当て、N~Zまでの人に別のコントローラーを割り当てるというものです。この設計は管理のためのオーバーヘッドという苦痛を生み出し、不必要にアクティブディレクトリを複雑にしてしまっていたのです。こうした理由から、AFSはクラスタ全体で1つのホームディレクトリしか要らないという実装になっています。もしも1つよりも多くのホームディレクトリシェアが必要な場合、nCLIを利用して作成することが出来ます。

トップディレクトリは終結点となっており、基本的にはショートカットです。前の説明と合わせると、全てのユーザーフォルダをルートディレクトリに作成することで適切なロードバランシングが行えるようになります。ショートカットとして見えるため、シェアのルートディレクトリにはファイルを置くことは出来ないようにしています。また、ユーザーのフォルダを展開する前にシェアのルートフォルダのパーミッションの設定を推奨しています。

一般用途のシェア(ユーザーディレクトリではない)はトップレベディレクトリでの分散を行いません。一般用とのシェアではファイルとサブフォルダは常に特定の単一のファイルサーバが所有権を持ちます。以下の図は2つの一般用のシェア(例:Accouting(経理)とIT(情報システム)部門)が同一のファイルサーバ上に配置されています。

Fig185

2つの目的の異なるシェアを同じファイルサーバ内に配置

ホームディレクトリシェアとは異なり、シェアのルートにファイルを保管することが出来ます。

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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@Networld_NTNX

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10のシリーズは一旦終了ですが、今回は社内、社外でよく質問を受けるAFS(Acropolis ファイルサービス)についての記事を取り上げました。AFSはNutanixにネイティブに実装されている、、、結局のところABSをバックエンドにしているため、ヴォリュームグループと言う単位で管理を考える必要があり、Windowsのファイルサーバ仮想マシンを利用する場合の感覚とは少し違ってくる部分があります。ですが記事の中にある通り、巨大なホームシェアを(スケールアウトで!)取り扱うことが出来ますので多くのメリットがあります。実際の操作は仮想マシンを作るのと同じ感覚で作れますので特定のお約束だけ理解していればWindowsを立てるより簡単でしょう。次回もAFSの中身を掘り下げる記事を予定しています。