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FVPのリンククローンの最適化 パート2

本ブログはPernixDataのシステムズエンジニアであるTodd Mace氏のブログの翻訳版です。

記事原文はFVP Linked Clone Optimizations Part 2にて閲覧可能です。

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本シリーズのパート1ではリンククローン環境に対してFVPが提供するレプリカディスクの最適化についてご紹介いたしました。パート2ではパーシステントディスクとノンパーシステントディスクの使われ方の違いと、それがどのようにFVPがVDI環境に提供する高速化と関連するのかについてご紹介していきます。

Fig210

パーシステントデスクトップとノンパーシステントデスクトップについて、特徴を誤解して話をしているケースをしばしば耳にします。こうした場合にはその誤解がリンククローンとフルクローンの違いによるものであることがほとんどだと気が付きました。ノンパーシステントもしくはパーシステントのデスクトップについての理解の深さがこの違いを生んでいます。例えば、もしリンククローンについて考えているのであれば、それぞれのディスクがノンパーシステントであったり、パーシステントであったりします、それは設計段階できまるのです。もしもWindowsのプロファイルがパーシステントであるユーザー専用ののリンククローンについて考えているのであれば、このリンククローンはある程度、パーシステントデスクトップであるということができます。

面白いことに、Horizon Viewはこのような意味合いでリンククローンを利用していません。Horizon Viewにおいてパーシステント、ノンパーシステントデスクトップという場合にはクローンされたデスクトップを更新するという意味合いなのです。言葉を変えるとリンククローンを利用しているというとはVDI環境がノンパーシステントもしくはパーシステントであるということとは関係がないのです。

専属もしくはフローティング割り当てのリンククローンといった周りで誤解が起きているケースも有ります。専属構成はユーザーに専属のデスクトップを割り当てます、なので、もしもユーザーが複数のセッションで接続してきた場合、標準では同じデスクトップに必ず再接続されます。フローティング構成では、ユーザーはデスクトップのプールを割り当てられます。これは新しいセッションのたびに別のデスクトップへログインする可能性があるということです。フローティング構成のシナリオでWindowsプロファイルを永続にする唯一の方法はViewコンポーザーの標準構成の外側でペルソナ管理ソリューションを利用することです。

ですから、管理者が専属のリンククローンを利用すると決めた場合、View コンポーザーはWindowsプロファイルをパーシステントディスクへリダイレクトするというオプションを提供します。これによってユーザーの個人設定は更新、再構成、再バランス操作の間も永続に保たれます。これはオプション設定の際のスクリーンショットです。標準のディスクサイズは2GBです。

Fig213リンククローンでフローティング割り当てを選択した場合、View コンポーザーは永続ディスクへのリダイレクトオプションを提供しません。これはユーザーの個人設定は更新、再構成、リバランス操作のあとには残らないということを意味します。もしもWindowsプロファイルをリダイレクトしなければ、データは非永続のデルタディスクに格納されます。いずれの場合もReadそしてWriteの両方のI/OがFVPによって高速化されます。しかし、ノンパーシステントのデルタディスクに格納されたユーザープロファイルの読み込みを高速化するためのウォームアップの時間は多くかかってしまいます。これは更新、再構成、リバランスのサイクルをどのような頻度で実施しているかに依存します。

フローティング、専属割り当てのいずれを選択した場合でも、Windowsのプロファイルを永続にする、しないのいずれを選択した場合でもFVPは自動的にデスクトップ仮想マシンの一部として構成されているすべてのディスクのReadとWrite両方を高速化します。これまでは再構成やリバランスの操作をいつスケジュールするということが非常に重要でした。今ではFVPがストレージからIOをオフロードし、更新、再構成、リバランスの操作は実環境に影響を与えずに僅かな時間で終わらせることが可能です。

デルタディスク:

デルタディスクはおそらく、リンククローンでのI/Oのほとんどが集中する場所です。デルタディスクはデスクトップがレプリカディスクからブートして直後に有効になります。あらゆるデスクトップへの変更はデルタディスクに格納されるため、ユーザーやデスクトップの使い方によって、I/Oの特性は非常に多様なものになります。これはFVPにとってネガティブな影響にはなりません。FVPはどのディスクがより活動的なのかということ継続的に判断しており、どのような使い方をしているのであれ、必要な高速化のリソースを提供できるようになっています。

Fig214

ディスポーザブルディスク:

標準の構成ではノンパーシステントのディスポーザブルディスクを4GBのサイズで別に持つことになります。この別ディスクを保持することは推奨されており、これによってデルタディスクが更新、リバランス、パワーオフなどのタスクまでの間に肥大化することを緩やかにすることが可能です。このディスクは一時ファイル、ページングファイルを格納します。FVPはディスポーザブルディスクに対するReadとWriteを高速化することでOSの操作を正常化することができます。もしリダイレクトしないことを選択した場合、このデータはデルタディスクへと格納されます。どちらを選択した場合もFVPにネガティブな影響はありません。しかしながら、デルタディスクが更新までの間に肥大化することを防ぐためのベストプラクティスですので、ノンパーシステントディスクを分けるてデルタディスクの肥大化を和らげましょう。

Fig215

内部ディスク:

それぞれのデスクトップがクローンされるたびに作成される内部ディスクがあります。このディスクはLazy Zeroのシック形式で構成されており、標準で20MBのサイズです。このディスクはSysprep、QuickPrep、そしてADのアカウント情報を格納しています。このため非常にI/Oは小さなものです。このディスクはWindowsからは見えないことを覚えておいてください。ですが、SCSIのアドレスを利用します。FVPはこれを認識し、このディスクに対するすべてのI/Oを高速化します。これがカーネルモジュールとして実装されていることのメリットです。FVPはWindows OSからマウントされていないディスクをも認識し、高速化の魔法をかけることができるのです。

これまでのことから分かる通り、どのような構成であってもFVPは自動的にデスクトップクローンを構成するすべてのディスクからのI/Oを捕まえることができます。構成によっては1つのデスクトップは様々なディスクを保持します。いつ、そして、どのディスクが有効になり、どの時点でリソースを必要とするのかは簡単に見極めることが難しい状況です。これがPernixDataがFVPをそれぞれのディスクのIOプロファイルを気にしないで動作させられるソリューションとして開発しようとしている理由そのものです。これは利用者の方はデスクトップを高速化するか、しないかを決めるだけで良いということです。一元的で、透過的であり、それ以上にいいことというのはないわけです。

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)