本ブログエントリーはPernixData社のシステムズエンジニアであるPeter Chang氏のブログ記事を翻訳しています。 Peter氏はネットワールドのプリセールス活動をサポートしてくださっている担当エンジニアでもあります。
本記事の原文はReal World Domain Controller on FVPで閲覧可能です。
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実際のエンタープライズアプリケーションに関するシリーズ記事を続けましょう。今回は中規模のエンタープライズの環境でのWindows 2008のドメインコントローラーの高速化について示していきます。
環境を簡単におさらいしましょう :
- ESXi 5.0 Update 2がインストールされた8台のDell M620ブレードサーバのクラスタ
- 10Gbのネットワーク
- ストレージへはFCで接続
- バックエンドのストレージ装置はだいたい250本のスピンドル(FC, SAS, SATAを組み合わせ)で35,000~40,000IOPSを提供可能
- PernixData FVP 1.0と400GBのIntel S3700のSSDが各ホストにインストール
- 200より少し少ないぐらいの仮想マシンがWrite-Back(WB)と冗長化のために2つのレプリケーションで高速化
サーバ名はメインで動作しているアプリケーションに合わせて変更してあります。
Domain Controller 1
概要: Windows 2008R2 のドメインコントローラー、ADが統合されたDNSサーバ、10サイトあるデータセンタのマルチフォレストのADのうちの一つ
レイテンシ:
以下のグラフは後ろのストレージ装置と仮想マシン間の間のレイテンシが3ミリ秒(とても良い)から10ミリ秒のあたりを推移iしており、1時間の間に10ミリ秒を超えるスパイクが28ミリ秒ほどになっていることを示しています。ですが、ローカルフラッシュのレイテンシは0.5ミリ秒ほどで一貫しており、仮想マシンへの実効レイテンシは時々のスパイク時もレプリケーションを2箇所に対して行っていても2ミリ秒かそれ未満です。28ミリ秒ほどの最初のスパイク発生時も仮想マシンへのレイテンシは1/3ほとで、2つ目の27ミリ秒ほどのスパイク時には実効レイテンシは2ミリ秒かそれ未満です。13倍も低いのです。
Domain Controller 1 のデータストアのレイテンシ 1時間
ヒット率:
以下の時間間隔のリードキャッシュのヒット率は大きく変動しています。これはこの中規模のエンタープライズは数千のアカウントと100を超えるアプリケーションがあるため、ユーザーやサービスアカウントからの数多くのAD認証や多くのLDAPクエリ、ADに対する数多くの書き込みが定常的に起こっているからです。見て分かる通り、上のグラフではストレージ装置上のデータストアのレイテンシは様々で、Readのオフロードだけでは仮想マシンやアプリケーションに対してはパープルのレイテンシが見えてしまいます。実際にReadだけを高速化した場合、仮想マシンから見えるレイテンシはさらに悪化します。パープルのラインはホスト内のSSDを通してReadとWriteが提供された後のデータストアのレイテンシだからです。ですから、実際にはパープルのラインはストレージ上のレイテンシのちらつきをスムーズ化し、スパイクを吸収している値なのです。そうでなければもっと高いレイテンシの値を記録したことでしょう。
サマリ:
見て分かる通り、ドメインコントローラーに対するストレージパフォーマンスの向上は目覚しいものです。この短時間だけでもストレージのレイテンシは5倍以上改善しており、バックエンドのストレージ装置から比べると10倍以上ということもあります。ADのレイテンシは全てのネットワーク上のAD認証を利用するアプリケーションに影響します。この値が低いことはアプリケーションの応答が良いということと同じで、ユーザーはよりハッピーということになります。
これらのグラフからは見えませんが、多くのネットワーク上のグループのユーザーがアプリケーションにログオンしたり、夜間のバックアップ時にストレージ装置のレイテンシが更に、そして頻繁にスパイクした際に更に大きな改善が見られるでしょう。レイテンシが落ちてしまうと見落としてしまいますが、以下の様な重要な点が挙げられます :
- 高速化したワークロードと高速化していないワークロードの両方でバックアップスピードが改善(ホットデータがキャッシュにあることと、そうでなくてもストレージ装置が以前ほど忙しくないため)
- バックアップのタイミングでオンラインでログオンしたオフショアの従業員、夜間シフトの従業員、残業中のシステム管理者などのユーザー・エクスペリエンスが改善
- 夜間のバッチジョブの完了にかかる時間の改善
- 24時間体制でシフトを組んでいるネットワーク運用センターのオペレーターのエクスペリエンスの改善
マイレージ(訳注:得られる改善の総計)は環境内のワークロードによって異なりますが、これらの中規模のエンタープライズの実際の環境のドメインコントローラーグラフのFVPによる改善のほんの一部からご想像いただけると幸いです。
記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)