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エントリーなオールフラッシュストレージ:VNXe3200 All-Flash-Arrayモデル

こんにちわ、石塚です。気が付けば梅雨入りですね。朝夕は涼しくて、昼間の日差しは厳しい季節になりましたので体調管理には気を付けて下さい。私は4月末から出張続きで少々グロッキーです(@~@) そんな中、6月15日~6月26日にかけてEMC Community NetworkでVSPEX BLUEについてのWebイベントが開催されます。私が回答者として参加していますので、素朴な疑問からちょっとマニアックなご質問でも、なんでもディスカッションできるので是非ご参加下さい!

【エキスパートに聞こう!】VSPEX BLUEを導入!ハイパーコンバージドインフラがこれでわかる

さて、先日のゴールデンウィーク中に開催されていたEMCworldに私も参加してきました。その中で発表されたオールフラッシュアレイシリーズの末弟に位置する(?)VNXe3200のオールフラッシュアレイモデルに興味が沸いたので、久しぶりに検証と合わせた情報をお伝えしようと思います。

VNXe3200は既に紹介済みですが、ユニファイドストレージのエントリーモデルとしてリリースされています。アーキテクチャはVNX2シリーズと同じくしているので、マルチコアパワーを存分に発揮できるのはご存知かと思います。(ご存知無い方は以前に投稿したこちら<http://blogs.networld.co.jp/main/2014/08/2vnxvnxe-f41c.html>をご覧ください)

EMCオールフラッシュストレージはXtremIOだけじゃない
VNXシリーズには以前からオールフラッシュモデル、通称Fシリーズと言うのもがリリースされていましたが、あまり知られていません。Fシリーズはストレージ構成がオールフラッシュパフォーマンスをきちんと発揮するためなのか、固定構成化されていてファイル機能などが利用できませんでした。(VNX-Fの製品情報はメーカサイトをご参照下さい)

VNXe3200オールフラッシュモデルはこれまでのFシリーズとは違い、ユニファイドストレージとしての自由度はそのままに、フラッシュドライブ(SSD)がパッケージ化されていて、大幅にコストが抑えられているのが最大の特徴となります。

EMCのオールフラッシュストレージと言えばXtremIOが最初に思いつきます。インラインの圧縮と重複排除機能を有し、メタデータ情報をインメモリ管理することで圧倒的なパフォーマンスを発揮するストレージです。そして、そのパフォーマンスはスケールアウトすることでリニアに拡張することが出来る、現時点で最高のオールフラッシュストレージです。しかしながら当たり前ですが絶対金額としては「お高い!」※語弊無くお伝えしたいので補足しますが、パフォーマンスあたりのコストからすれば相当お安いとなる価値があるストレージですので、興味がある方は是非弊社担当者までご連絡下さい!!

一方、今回リリースされたVNXe3200オールフラッシュモデルは、従来のVNXe3200との機能の違いはありません。XtremIOのような特筆すべき機能はありませんが、最大のポイントはイニシャルコストの安さと言っても過言ではありません。また、その価格に見合う以上のパフォーマンスを発揮することができます。

VNXe3200オールフラッシュパッケージのパフォーマンスと価格
以下の表はEMCのプリセールスSEトップであるChad氏のサイトからお借りしてきたVNXe3200オールフラッシュモデルのパフォーマンスと価格の一覧です。

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実際に3.2TBモデルが見積もれるのでやってみたところ、以下のようになりましたのでご注目下さい!!

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この価格は定価ですが、費用対効果を考えてみると、パフォーマンス(IOPS)当たりのコストとしては約88です。1.8TBの実効を容量前提にすると、容量コストとしては約3,523円となりますので、費用対効果は悪い印象になってしまうかもしれませんが、ポイントは「数TBクラスの容量で、かなりのパフォーマンスを欲しい方」向けのストレージとしてはかなりお安いモデルになると言うことです。中小規模のデータベースシステムでパフォーマンスチューニングに悩まれている方、そしてファイルサーバやVDI環境を分散して運用・管理されている方には非常に魅力的に見えるのではないでしょうか。

と言うことで、手元にSSDが20個ほどあったので実際にパフォーマンス検証をしてみましたので、以下にレポートします。

ネットワールド的検証レポート
まず、構成は以下の通りです。手元にある検証機材を使ったのであまり十分な機材ではありませんが、低コストシステムを具現化すると似たような構成になるのではないでしょうか。オプションとしてFCポートを追加しているのがスタンダードなVNXe3200オールフラッシュとは違う点に注意して下さい。※10GbiSCSIとほぼ同等と考えて頂いても大丈夫です。

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パフォーマンス検証ツールとしては、IOmeterを利用しました。内容としてはVDIを想定して大きなブロックサイズの完全ランダムアクセスを行っています。書き込み/読み込みが50:50と言う比率なのもストレージとしては大きな負担になります。また、その他にもExchange相当のアクセスパターン、OLTP1を想定したアクセスパターン、Chad氏のサイトにあった公称スペックのアクセスパターン、そして最後に個人的に「凄いパフォーマンス値が見てみたい!」と言う欲求を満たすためのスモールブロック&シーケンシャルの読み込みのみのアクセスパターンも実験してみました。

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と、前置きはこれぐらいにして検証結果を発表します!

VNXe3200オールフラッシュパッケージの実力!

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ストレージのパフォーマンスサイジングに詳しい方であれば、ここから大凡のシステム規模感が分かると思いますが、具体的に仮想デスクトップ環境を例に挙げてみると、以下のような環境で利用できます。

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このシステムであれば、最大の懸念であるログインストームにおいても300人程度の同時ログインに耐えられるパフォーマンスを有していることになります。コストとこのシステム規模感からの印象は如何でしょうか?「お、これは使える!?」と思って頂けた方には、是非弊社担当者までご連絡をお願いします。担当者が分からない方は emc-info@networld.co.jp までご連絡下さい。

次のEMC関連記事はVNXe3200オールフラッシュパッケージと同様に、EMCworldで発表されたVirtual VNXについての記事になります。お楽しみに!