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【Dell Blog】らくちんリプレイス!Unity上のNASサーバーを別筐体へ移行してみよう

皆さんこんにちは!
ネットワールドのストレージ担当の片山です。

今回も皆さんあまりやったことのない!?「らくちんリプレイス!Unity上のNASサーバーを別筐体へ移行してみよう」というタイトルからも、物理Unityから別のUnityVSANASサーバーを移行してみたいと思います。長く使っていれば必ず旧筐体からリプレイスが発生しますが、ストレージのリプレイスなんて非常に面倒で大変な作業だと思います。ですが、既にUnityをストレージとしてご利用いただいている場合、新しいUnityへのリプレイスってすごくらくちんなんです!今回はその検証をしてみたいと思います。

 

まず、NASサーバーの移行にはUnityのレプリケーション機能を利用していきます。今回の移行環境としては、移行元のNASサーバーはWindowsADドメイン参加済みで、NTFSアクセス権がフォルダに個別に設定されています。また、UnityVSANASサーバーを移行した後もそのままIPアドレスもホスト名も同じ情報を利用する想定です。

 

まずはUnityからUnityVSAに対して、NASレプリケーションの設定をしていきます。設定方法についてはすでに触ったことがある方なら問題ないかと思いますので、大体の流れを解説したいと思います。それでは始めていきます。

 

<レプリケーションのインターフェース設定>

まずはレプリケーションに使うインターフェースを左側メインメニューの [ インターフェース ] から設定をおこなっていきます。このレプリケーション・インターフェース設定ではレプリケーションの際に実データを流す物理インターフェースを指定できます。SP-ASP-Bに1個ずつIPアドレス/サブネット等(オプションでGateway)の指定が必要になります。Unity搭載の物理インターフェースが足りない場合はVLANの指定も可能です。

 

<リモートシステムの設定>

次に、UnityVSAUnityからレプリケーション先のストレージシステムとして指定する必要があります。そのためリモートシステムとしてレプリケーション先のストレージ機器を事前に登録しておきます。この設定は管理ネットワーク同士の疎通を行ない、お互いにセッション情報等をやり取りする上で必ず必要になります。ローカルのadminなどリモートと接続可能なユーザー名とパスワードを入力します。接続モードについては 非同期 を選択していきます。

 

他の記事でも既にご紹介済みのOE(ファームウェア)5.1で利用できるようになった追加機能としてレプリケーション帯域制御の設定もありますが、ここでは設定は何も入れずに[ 次へ ]をクリックします。これでNASサーバーのレプリケーション設定の下準備が完了となります。

 

<NASサーバーの移行>

今回利用しているUnityのレプリケーションは、OEバージョンに関するコンパチビリティ的な制限はほとんどなくUnity同士であれば基本的にOEバージョン差異があってもレプリケーションを構成することができます。ただし、新しくレプリケーションの機能(帯域制御や新しいレプリケーションタイプ等)が追加された旧OEUnityとレプリケーションをする場合、バージョン差により追加された新機能については利用することができないため、その点だけは注意が必要です。

以下はメーカーで公開しているレプリケーション互換性一覧であるUnityのSimple Support Matrixの一部抜粋となりますが、基本的には筐体モデル単位でのコンパチ(一部VNXeのみ最低OEバージョンの指定あり)となり、UnityであればOEバージョンが異なっていてもレプリケーションができるため非常に優秀です!

 

次にNASサーバーとファイルシステムのレプリケーション設定を行っていきます。レプリケーション先はUnityVSAです。ここではサクっとNASサーバーの項目からレプリケーションを設定していきます。

 

物理UnityUnityVSAの非同期レプリケーションの初期同期が終わったタイミングで準備は完了です![前回の同期時刻]が表示されている場合は初期同期及びRPOによりスケジュール同期は完了してる状態です。

 

続いて、物理Unityから[ 同期ありフェイルオーバー ]を実施していきます。

ちなみに同期ありフェイルオーバーとは、最終のNASサーバー設定、紐づいたファイルシステムのデータ同期を実施し、同期が完了した後すぐにUnityVSA側のNASサーバーをメインとして動作させる機能です。またレプリケーションの同期は停止され今まで動作していた物理Unity上のNASサーバーへはアクセス不可になります。

切り替え先のNASサーバーのセグメントやIPアドレスが同一の場合は、同期ありフェイルオーバー完了後はすでにUnityVSA側のNASサーバーに対してユーザーアクセスが開始されるため基本的にはこの時点で切り替え完了となります!

 

 

細かな操作や考慮については一部割愛はしていますが、基本はたったこれだけで新たにUnityVSA上で移行されたNASサーバーを使っていくことができます。あとはレプリケーション設定が残るため必要がなければ、すべてのレプリケーションに関する設定を削除することで物理Unityを完全に切り離すことができます。以前のストレージ製品では共有設定、クォータ設定などは移行できず作り直す等の必要がありましたが、Unityでは基本的にはこれらNAS設定に関する情報をそのまま一緒に移動することができるため、NASサーバーの移行がとってもに楽になっています!

さて、いかがでしたでしょうか。

Unityはリリースから時間が経過し成熟した製品です。とはいえレプリケーションの帯域制御やハイブリッドモデルでの重複排除機能、ダイナミックプールへの追加対応をしてきており、次期アップデートも公開され今後の追加機能にも期待大です!今更ですがUnityはやっぱりイケてます!

是非、新ストレージの導入予定があり、既にUnityをご利用いただいている方は検討してみてはいかがでしょうか?!今回の情報が皆様のお役に立てれば幸いです。

次回もまた別の話題でお会いしましょう。それでは!!

 

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