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AHV 環境で Citrix MCS を使うときの注意事項 (12/14追記)

こんにちは、ネットワールドの海野です。
Citrix の基盤としてもはや鉄板構成となった Nutanix AHV ですが、要注意ポイントが存在します。

今回はそのポイントのひとつを解説します。

2つのMCSで永続展開させる方式

Machine Creation Service (MCS) を使って仮想マシンを永続的に展開 (いわゆるフルクローン) することが可能ですが、以前より2つの方式が実装されています。

(1) 高速コピー

(2) 完全コピー

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違いの詳細などは Citrix Tech Zone をご覧いただきたいのですが、ザックリ一言で見解を述べますと、個別の仮想マシンとしてバックアップがしやすいかどうかが変わってくると考えています。

さてここで注意点ですが、Nutanix AHV では残念ながら完全コピーを利用することができません。

どんな風に見えるの?

具体的にどういう感じで見えるかをご紹介します。

まず、Nutanix AHV と VMware vSphere をそれぞれ登録している Citrix Studio です。

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  • VMware vSphere の場合

このように vSphere の場合では、高速複製か完全コピーかを選択することができます。

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  • Nutanix AHV の場合

一方で AHV の場合はどうかというと、選択肢そのものがないということになります。

このときは従来の展開方式である高速複製が利用されているとお考えください。

(2020/12/14追記 ※ご指摘がありましたので追記いたします m(__)m )

ただし、Nutanix AHV での MCS フルクローン 高速展開 はその他のハイパーバイザーと異なり、MCS であっても実質的にフルクローンに近い振る舞いをします。

これについての詳細は過去の投稿をご覧ください。

AHV においては MCS フルクローンでの展開方式が一種類しか選べませんが、これは性能面ではデメリットにはなり得ません。

そのため、パフォーマンスの観点を考慮したとしても、安心して MCS フルクローンを選択いただけます。

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実際はどうなの? (まとめとか)

この機能の存在有無で心配をされる方もいらっしゃるかもしれませんが、展開済みの VDI の仮想マシンそのもののバックアップを保持したいという要件は比較的レアだという肌感があります。(マスターイメージは別として。)

それ以上に重要なのは VDI 上で取り扱うデータですので、そちらを Nutanix Files などできちんと保護することが優先だと考えます。

また、vSphereなどのハイパーバイザーにおいて、MCS フルクローン 完全コピーで展開したとしても、リストア時は MCS カタログで展開した仮想マシンとして元通りにできるわけではなく、既存の VDI としてインポートする必要がありますので、ご注意ください。

それを踏まえますと、従来通り MCS ではリンククローン (デスクトップ利用終了時にリフレッシュがかかる設定) の展開をご利用いただき、どうしても永続的にデスクトップを保持したいという場合はハイパーバイザー側で設定をする方が無難かもしれません。

ハイパーバイザー側で展開する場合、バックアップからリストアした後の環境であってもカタログの種類が [MCS] から [既存] へ変わってしまう!ということもありません。

エンドユーザーにはあまり関係のないところではありますが。。。

(環境ごとの要件・設計に依存します。)