皆さんこんにちは!
ネットワールドのストレージ担当の片山です。
今回は第三回はということで、検証に利用する環境はNimble StorageとVVOLを利用したvSphere環境です。
下図はHPE社より公開されているHCV活用例ということで、なぜVVOLを使っているかについては、VVOLを使うことで仮想マシンに接続されたvDISK(仮想マシンのボリューム)単位でレプリケーション対象にできるからです。VVOLについてわからない方はネットワールドらぼ内にも情報がありますので事前にご確認くださいね。
VVOLを利用することで、オンプレミスからクラウドへの転送量を最低限に抑えて、且つHCV上にレプリケーションされたデータをAWSで活用するという図です。今回はこの活用例を踏まえて実施していきたいと思います。
それでは、ここからは少し長くなりますが最後までお付き合いください‼
上図を以下のいくつかのステップに分けています。
1)HCVと接続ができるようにAWSとHCVの設定(IAM、EC2、VPG、HCVとの連携設定)
2)オンプレミス→HCVへVVOLを使ったVMDK単位でのレプリケーションを実行
3)レプリケーションされたボリュームを他のクラウドで利用できるように「Block Volumes」に変換
4)EC2上に構築した仮想マシンにHCVのボリュームをiSCSI接続し、ボリュームの確認まで
以上、なかなか準備する項目が多いですね。さて実施していきます!
ステップ(1):AWS、HCV連携設定
最初のステップについては、ほとんどがAWS側の操作で一部HCV側にも設定が必要です。
クラウドって、しばらく触っていないと画面や設定方法などが一番難しかったりしますよね。HCV自体の操作は非常にシンプルなのですが…。
気を取り直して、まずはオンプレミス、HCV、AWSを簡単以下のようなイメージ図を作って、同じよう環境を作成していこうと思います。もちろん検証用なのでロードバランサ―などの小難しい設計はしていません!!
AWSの全般的な操作方法につきましては皆様ご存じだと思いますので割愛しますが、まずはHCVを利用するために使う環境としてVPC、サブネット、インターネットゲートウェイなどEC2環境を作成しておきます。
Windows Server 2019を事前にデプロイして後ほどHCV上のボリューム接続可能な状態まで作成しました。
次に、HCVと他のクラウドとの連携するために事前に必要な設定としてAWS上のIAM設定する必要があります。AWSにIAMを設定可能なアカウントでログインします。
HCVとの連携をするためのRoleを作成し必要なポリシーに権限を割り当てる必要があります。Roleを作成したら下図のポリシーを適用し、信頼できるエンティティ項目に「別のAWSアカウント」としてHCVのマニュアル上にも記載があるHPENimble(HCV)の所有者IDを追加していきます。
※ 詳細につきましてはHCVメーカードキュメントをご参照ください。
次にHCVから「Cloud Accounts」メニュよりHCVアカウントとAWSアカウントの紐づけを実施しておきます。
AWSの利用アカウント名、アカウントIDと先ほど設定したRoleに関連したARN情報などを入力していきます。
※ アカウント紐づけ設定をしておくとHCVで作成したボリュームをそのままAWS側にアタッチできます
次に、AWSのバーチャルプライベートゲートウェイ(VPG)を作成しHCVと接続できるよう設定していきます。VPGについてはマニュアル通り作成していきます。
作成時に接続するVPCの設定からルートの伝搬にチェックを入れます。AWS側ではVPGを作成ししばらくすると接続ステータスが「attaching」→「attached」に変わり接続されます。HCV側の「Connections」メニュにもしばらくすると情報を取得してVPGが表示されます。ステータスが「Confirming」→「available」に変わりHCVと接続されていることが確認できました。
以上でHCVとAWSを接続して利用するための設定が完了しました。
感想として、いつもAWSを触っているわけではないため最初はかなり苦戦し試行錯誤してしまいましたが、HCV側は本当にシンプルでしたね。次回はステップ2からラストまでの手順と結果をご紹介していきます!
HCVについて4回の連載を予定しています。以下もご覧ください!
4)HPE社のマルチクラウドストレージ(HPE Cloud Volumes)を検証してみた!(AWS連携編2)
3)HPE社のマルチクラウドストレージ(HPE Cloud Volumes)を検証してみた!(AWS連携編1)