
こんにちは、ネットワールドでストレージ担当のSEをしている河村と申します。
前回はASA r2のご紹介をしました。
今回はそんなASA r2を使用したレプリケーション機能「SnapMirror ActiveSync」の概要と検証内容ついてご報告いたします。
SnapMirror ActiveSyncとは何か
「SnapMirror ActiveSync」は筐体障害にも耐える双方向同期SnapMirrorで、ONTAP9.9.1以降のブロックプロトコル(FC/iSCSI/NVMe)で使用できる機能です。メリットは同期SnapMirrorの技術で筐体障害に耐えること。案件の要件でシャーシだけは冗長化できないという話になりがちですが、SnapMirror ActiveSyncを使えば筐体間の同期SnapMirrorなので問題ありません。この仕組みはNetAppの機能で実装済みのMetroClusterと同等ですが、より導入のハードルが低く、他ベンダの「〇ctive〇luster」に対抗できる!?!?機能と言ってもよいかと思います。

SnapMirror ActiveSyncを使用するための前提条件は下記です。
・2台のAFF/ASA/ASA r2 ※ブロックプロトコル(FC/iSCSI/NVMe)のみ対応
・ONTAPバージョンはONTAP9.9.1以降
・SnapMirrorとSnapMirror Synchronousのライセンス
・ネットワーク環境は、クラスタ間レイテンシのRTTが10ms未満
・ONTAP Mediator
ASAr2 2台あればできちゃう?!と一瞬期待しちゃいましたが「Mediator」というコンポーネントが必要です。「Mediator」はクラスタ間で通信が途切れたときに起こるスプリットブレインを防ぐための、同期アーキテクチャにとっては必須な存在で、自前のサーバに導入するONTAP Mediatorか、ONTAP 9.17.1以降はCloud Mediatorが使用できます。
自前サーバが必要となると、やれサーバの性能がどうだ、保守どうする、サーバのバージョン更新・バックアップどうするとサーバ側の手間が増えがちですが、Cloud Mediatorが使えるのは素晴らしいですね。でもCloud Mediatorってデプロイ難しそう、、と気になったので、まずはCloud Mediatorのデプロイを試してみました。下記図の青線のネットワーク接続が要件で、これができればCloud Mediatorが使用可能です。

Cloud Mediatorの接続方法
Cloud Mediatorの設定は、ONTAPの管理画面から実施できます。大まかな流れは次の通りです。
- 前提作業
ASAr2 2台をONTAP9.17.1以上で構築し、NetApp同士でCluster Peerを設定します。
- ネットワーク疎通の確認
2台のNetAppのノード管理LIFとクラスタ管理LIFから、Cloud Mediatorのエンドポイント「api.bluexp.netapp.com」へHTTPS通信を許可します。 - 認証情報の設定
NetApp Consoleから、Cloud Mediator用の認証情報を取得します。※後述 - ONTAPへの登録
System Managerにて、手順3で取得したCloud Mediatorの認証情報を登録します。
これらの手順を踏むことで、オンプレに新たなサーバを用意することなくSnapMirror ActiveSyncが利用できるようになります。
NetApp Consoleの操作
手順3のNetApp Consoleでの認証情報の取得については、NetApp Consoleの操作自体馴染みがない操作かと思いますのでキャプチャ付きで解説します。
なお、取得する情報について記載されているドキュメントは下記です。
https://docs.netapp.com/ja-jp/ontap/snapmirror-active-sync/cloud-mediator-config-task.html

なにやら日本語訳のドキュメントが分かりずらいですね、、。図解で順を追って説明します。
まずNetApp Console(旧BlueXP)で「サービスアカウント」を作成します。NetApp Consoleに接続して右上の歯車アイコンから「アイデンティティ管理とアクセス管理」をクリックします。
※検証時期により製品名称やGUI画面が異なりますがご了承ください。

メンバーのタブから「メンバーの追加」をクリック。

ポップアップが表示されたら、エンティティタイプでユーザとサービスアカウントが選べるのでサービスアカウントを選択。カテゴリは「Application」、ロールは「ONTAP mediator setup role」を選択して追加をクリックします。

サービスアカウントのクレデンシャルが表示されるので赤枠内の情報メモします。

サービスアカウントの作成が終わったら、NetApp Consoleに戻って組織IDもメモします。

2台あるASAr2 のうち、片方のASAr2 のSystem Managerで「メディエーターを追加する」を実施し、メディエータータイプは「クラウド」、入手したNetApp Consoleの組織ID、サービスアカウントのクライアントIDとクライアントシークレットを入力、クラスタピアでは対向のASAr2 クラスタを選択し、作成します。

System Managerの画面下に「クラウドメディエーターが追加されました。」と表示されたらCloud Mediator設定成功です!

以上でCloud Mediatorの設定完了です、簡単でしたね! Cloud Mediator によって、これまで課題となっていたメディエータ運用のハードルも大きく下がりました。
メディエータが設定できれば、SnapMirror ActiveSyncも設定が可能です。記事が長くなりましたので、SnapMirror ActiveSyncの検証は次回とさせていただきます。お楽しみに!