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なぜAFA(オールフラッシュストレージ)は解決策ではないのか?

本ブログエントリーはPernixData社のVP MarketingであるJeff Aaron氏のブログ記事を翻訳しています。 

本記事の原文はWhy an AFA May Not Be AOKで閲覧可能です。

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最近、我々はソーシャルメディアに #AFAnotAOK というハッシュタグをつけています。反応はそれが気に入っている人と、嫌いな人とで非常に両極端でした。

賛成意見の人々はオールフラッシュストレージ(AFA : All Flash Arrays)が共有ストレージにまつわる従来からの問題を解決してくれないばかりか、アプリケーションの仮想化が進むに連れて、より悪くなっていくという考え方に賛同しています。レイテンシやネットワーク帯域の限界、ストレージコントローラーへの負荷集中(スライドショーの中でハイライトされています)は単にディスクからソリッドステートへとアップグレードするだけでは無くならないのです。これについては多くの賛同を得ることが出来ました。

反対意見の人々は(ほとんどは残念ながらAFAを販売している人でしたが)、なぜ業界が明らかにその方向へと向かっているのにAFAを「攻撃している」のか?という疑問を呈しました。以下が彼らが上げたいくつかの質問です:

  • この2年間で$1B($10億≒1.2兆円)以上もの投資を集めた業界を攻撃できるのか?
  • いくつかのAFA製品は我々が述べているような多くの問題は解決している。
  • サーバサイドストレージは一時的なもの・・・10年かもう少しだけのもので、高価なフラッシュをサーバ内にばらまく効率の悪い方法だ。

Fig257

これについて、時間を咲いて以下のポイントをお伝えしていきましょう :

まず、AFAの市場が最近、普通では無いほどに投資の対象となっているということは事実です。これは、AFAが従来のストレージに比べ非常に改善されているからです。ある日気がついたら、フラッシュがディスクと同じように安価になり、そうなった際にはAFAが市場内で唯一のストレージ装置になっているということは否定しません。しかし、AFAはストレージ装置の未来の姿であって、ストレージの未来そのものであるということではありません。これは同じことでしょうか?それはあなたがストレージ装置が将来的にどんな役割を担うと考えているかによって変わります。ストレージ装置は近年ますますコモディティ化し、主なストレージ機能はサーバ内に移行していっているという議論があります。(NutanixやVMwareのようなハイパーコンバージドインフラストラクチャベンダーはこれをより推し進め、共有SANの役割を完全に取り除いています。)もし実際にこれが現実となったとすると、今日のAFAは1990年台のMP3プレイヤーのようなものになってしまいます。MP3プレイヤーは以前のもの(例えばCDプレイヤー)に比べると非常に改善されたものでした。それがSonyMicrosoftがMP3プレイヤーに多くの投資をおこなった理由でもありました。しかし、最終的には破壊的な音楽の提供方法が流行することによって、滅びてしまったのです。(ありがとうAppleSpotify!)

そして、それが2つ目のポイントです。そうです。すべてのAFAソリューションは異なっています。しかし、我々が焦点を当てている問題というのはAFAがアーキテクチャ上の問題であるということで、製品の問題では無いということです。どうしてAFAはSSDあたり5,000IOPSぐらいしかパフォーマンスを提供できないのでしょうか?カード自身は10倍の性能があるのに、です。根本的なボトルネックであるストレージコントローラーが原因なのです。ストレージ装置のレイテンシが、サーバ内のレイテンシに比べると高いのはどうしてでしょうか?短いパスを通るということは速いということなのです。物理の法則を捻じ曲げることはできません。これが事実です。我々はそこに焦点を当てているのです。

これによって3つ目のポイントが導き出されます。サーバサイドフラッシュは離陸までに時間がかかっています。理由は企業でそれを利用できるようにするためのソフトウェアが存在しなかったからです。これはPernixData FVPソフトウェアがクラスタリングVMのモビリティ、耐障害性、書き込みの高速化、そしてその他の主な機能をこれまでの常識に加えたことで変わりました。FVPはストレージのパフォーマンスをサーバの層へと移行させます。AFAに継承された多くのアーキテクチャの問題を解消しながら、更にサーバサイドのリソースを完全に活用することができるのです。iTunesがオンラインミュージック業界の発達に必要不可欠だったように、データセンタはサーバサイドメディアを適切に活用できるソフトウェアを手に入れたのです。

私達はAFAが多くのデータセンターにその置き場所を見つけられないと言っているわけではありません。しかし、私達は将来のストレージアーキテクチャ震源地としてその存在を知らしめたいのです。そして、我々は人々にAFAにアップグレードすることが今日ほんとうに必要とされていることでしょうか?という疑問を投げかけます。ストレージのパフォーマンスがキャパシティから分離された世界では、様々なオプションを選択することができるようになります。 ーそして、もっと多くの選択肢が出てくるでしょう。古い時代のモノリシックのストレージよりも多くの選択肢です。ですからストレージ装置をアップグレードする際にはよく考えてください。ーAFAはあなたの環境にとっては解決策では無いかもしれません。

記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@pernixdata_netw)