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【Dell Blog】PowerStoreのデータ削減保証プログラムを徹底的に深掘りする!

皆様、こんにちは!
ネットワールドのストレージ担当SEの多川です。

PowerStore OS 4.0が発表されてから、立て続けに9回PowerStoreのブログを投稿してきました。
今回はなんと10回目の投稿となります!

 

参考までに過去の投稿を紹介します。

投稿日

記事名

2024/06/19()

【Dell Blog】PowerStoreの新機能とアップデート情報 - ネットワールド らぼ

2024/07/03()

【Dell Blog】ストレージならなんでもこい!PowerStore 4.0 Universal Storage Import - ネットワールド らぼ

2024/07/17()

【Dell Blog】UnityからPowerStoreへ楽々NAS移行! - ネットワールド らぼ

2024/07/31()

【Dell Blog】PowerStore Prime!! Version 4.0の性能向上の秘密に迫る!! - ネットワールド らぼ

2024/08/21()

【DELL Blog】PowerStoreのダウングレードをやってみた - ネットワールド らぼ

2024/09/04()

【Dell Blog】スナップショット連携!VeeamのPowerStoreプラグインを入れてみた! - ネットワールド らぼ

2024/09/18()

【Dell Blog】PowerStoreデータ削減率の向上の真意!?OS3.6とOS4.0で比較してみた 前半戦 - ネットワールド らぼ

2024/10/04()

【Dell Blog】PowerStoreデータ削減率の向上の真意!?OS3.6とOS4.0で比較してみた 後半戦 - ネットワールド らぼ

2024/10/16()

【Dell Blog】「PowerStore×Alog ConVerter」CIFS監査ログ設定検証してみました! - ネットワールド らぼ

 

さて、メーカーのセミナー等でよくデータ削減保証プログラムについて説明がありますが、文字に起こさないとなかなか理解できないかと思いますので、今日はデータ削減保証プログラムについて徹底的に深掘りしたいと思います!

 

以下URLに標準データ削減保証プログラムの利用規約がありますので、これに沿って確認していきます。

※今後変わる可能性はありますので、ブログ投稿時点での情報とお考え下さい。

 

◆英語版
https://www.delltechnologies.com/asset/en-us/products/storage/legal-pricing/future-proof-dr-guarantee-tc.pdf

◆日本語版
https://www.delltechnologies.com/asset/ja-jp/products/storage/legal-pricing/future-proof-dr-guarantee-tc.pdf

 

実はデータ削減保証プログラムは標準以外にカスタムもあります。

カスタムの場合はメーカーと条件を合意し、データ削減率保証の比率や条件を変えるケースとなり、その場合はお客様の署名が必要となりますので注意してください。

今回紹介するPowerStore Tシリーズはどのモデルでも最新のOS 4.0が搭載できますので、最大5倍のデータ削減保証プログラムを利用できます。
それではどういう条件が揃った場合に容量保証の恩恵を受けられるのでしょうか?

1. All data stored on the Products must be in its native format (not host-level encrypted or compressed);
1. 製品に保存されるすべてのデータは、ネイティブ形式である必要があります (ホスト レベルで暗号化または圧縮されていない)。

 

2. Audio, Image, PDF and Video files will not be included in any calculation determining compliance with the Guarantee;
2. オーディオ、画像、PDF、およびビデオ ファイルは、保証の遵守を判断する計算には含まれません。

 

3. The Guarantee does not apply until data is written to at least 50% of the physical solid-state drive space for PowerStore and PowerMax;
3. PowerStore および PowerMax の物理的なソリッド ステート ドライブ スペースの少なくとも 50% にデータが書き込まれるまで、保証は適用されません。

 

4. Except with respect to Federal End Users, Products must be connected to an active SRS or SCG gateway with functioning remote support for the Guarantee Period; and
4. 連邦政府エンド ユーザーを除き、製品は保証期間中、リモート サポートが機能しているアクティブな SRS または SCG ゲートウェイに接続されている必要があります。

 

5. All compression and data deduplication functionality must be enabled where supported for the Guarantee to apply.
5. 保証を適用するには、サポートされているすべての圧縮およびデータ重複排除機能を有効にする必要があります。

 

む、、、難しい・・・
要約するとこういうことですね?

 

 

1.ネイティブ形式
 暗号化や圧縮されていないデータが保存されていること
 仮想マシンのデータを配置する場合、暗号化しているとプログラムが利用できませんのでご注意ください。
 ファイルサーバー用途でも、暗号化されたファイルや圧縮ファイル(ZIPなど)は対象となりません

 

2.ファイル形式
 動画、音声、画像、PDFは対象外

 

3.容量
 PowerStore Managerのダッシュボードの容量で、物理容量の50%以上利用している状態で5:1のデータ削減ができていないケースが対象となります。

 

4.リモートサポート接続
 リモートサポートに繋がる必要があります
 ただ、どうしてもリモートサポートが繋げないダークサイトのお客様は、カスタムでの対応が可能とのことです。その場合は現地で確認させて頂く形になるようです。(メーカー確認済み)

 

5.IDR(Inline Data Reduction)有効化
 PowerStoreはデータ削減機能を無効化できないため、特に何もする必要はありません

 

そんなに難しい条件ではないですし、標準の場合は特に署名もせずともサポート契約を締結していれば自動的に適用されますので、データを入れた後で「思ったよりデータ削減率悪いな」と思ったら保証を使うことができます。

 

なお、リモートサポート接続はSCG経由でなく、直接接続でも問題ありません。(メーカー確認済み)

ちなみにMicrosoft Officeファイル(docxやxlsx、pptxなど)は既に圧縮されていますが、プログラムの対象となるとメーカーの資料に記載がありますのでご安心ください!

https://japancatalog.dell.com/c/wp-content/uploads/20220601_PowerStore.pdf

請求時にPowerStore Managerのダッシュボードのスクリーンショット1週間分が必要とのことなので、忘れずに取っておいてください。

救済措置(保証措置)として、以下の記述があります。

 

お客様は、削減可能であったデータ量をデル・テクノロジーズが検証するために、該当するシステムへのアクセス権をデル・テクノロジーズに付与するものとします。


本プログラムに基づく請求が有効であるとデル・テクノロジーズが判断した場合、デル・テクノロジーズには(i)システムのチューニング、(ii)追加機器の提供、(iii)マイクロコードの再構成、または(iv)他のハードウェア コンポーネント(当該製品の有効容量の50%を超えない追加のハードウェア容量)の追加もしくは変更のいずれかにより、自己の費用負担で不遵守を是正する機会が与えられるものとします。


デル・テクノロジーズは、上記のいずれの措置を実施するかについて、単独の裁量により判断するものとします。


上記の選択肢は、お客様が本保証の不遵守に関して受けることができる唯一の救済措置であり、本保証の不遵守の是正請求は 1 回に限られます。


本保証に基づく救済措置の不履行により生じた損害に対する賠償責任は、典型的で予見可能な損害に限られ、お客様による本保証に基づく請求に関連する対象製品の購入価格を超えないものとし、いずれの当事者も、あらゆる種類の間接損害および派生的損害に対する賠償責任を一切負わないものとします。


ただし、死亡または人身傷害、デル・テクノロジーズの重過失または故意の違法行為、および制定法上の製造物責任に基づく請求については、上記の賠償責任の制限が適用されないものとします。

 

要するに救済措置を受けるためには、リモートでメーカーがPowerStoreにアクセスして確認を行い、必要に応じてチューニング、OSバージョン調整、それでもダメなら追加ハードウェアの提供をしてくれるということになります。

 

追加ハードウェアはSSDが提供されますが、PowerStoreのエンクロージャーに空きスロットが無い場合はExpansion Enclosureも一緒に提供されます。
さらに増設作業もメーカーで実施して貰えます。メーカー構築でなくてもメーカーで増設を実施して貰えるそうなので、使わない手はありません!(メーカー保守契約を締結しており、有効な保守期限が残っている場合に限ります。)

注意)Expansion Enclosureを増設する場合は、ラックスペースと電源をご用意頂く必要がありますので、ご注意ください。

如何でしたでしょうか?

データ削減保証プログラムを利用することで、安心してPowerStoreを選定できるのではないでしょうか?

データ削減の効果が出れば、PowerStoreが搭載する物理容量が少なくてもお客様の要件を満たせますので、ぜひ活用頂ければと思います!

ちなみにプログラムを使える期間に縛りはありませんでしたので、使い始めて数年経ってからでも満足いく結果でなければ利用できます。

 

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!ByeBye!

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