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AHVのネットワークの新機能 パート4

本記事の原文はNutanixコミュニティのブログNutanix Connect Blogの記事の翻訳ヴァージョンです。原文の著者はNutanix社のStaff Solutions ArchitectのJason Burns氏によるものです。原文を参照したい方はWhat’s New in AHV Networking Part 4をご確認ください。情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。

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Fig297

本シリーズの以前の記事で、我々はNutanixがどのように仮想化スイッチ内にアプリケーションポリシーを実装し、アプリケーションのトラフィックに対してセキュリティを提供しているのかを見てきました。AHVマイクロセグメンテーションはレイヤ2からレイヤ4までの与えられたポリシー定義をベースにしたルールを実装しています。つまり、定義からアドレスやプロトコルやポートを自動的に展開するのです。

しかし、幾つかのタイプのトラフィックではシンプルなルールでは提供ができない、内部的な検査が必要な場合もあり、そこではネットワークファンクション仮想化(NFV)が必要となってきます。トラフィックの中にウィルススキャンの機能やパケットを深く検査する機能を取り込んだりするためには、我々はもっとネットワークの高いレイヤへと目を向けなくてはなりません ー つまり、もっと多くのリソースを必要とすることになります。Nutanix AHVのネットワーキングスタックでは、ネットワークトラフィックフローを収集したり分析したりするために仮想化されたネットワークファンクションを挿入してこうした検査を行うことができます。

このブログのシリーズは遡ること6月にNutanix .NEXT DCでアナウンスされたワンクリックネットワーク実現するのに役立つAHVの機能を取り上げます。

パート 1: AHV ネットワーク 可視化 

パート 2: AHV ネットワーク 自動化と統合

パート 3: AHV ネットワーク マイクロセグメンテーション

パート 4: AHV ネットワーク ファンクションチェイン(本記事)

AHVネットワークファンクションチェイン

現在AHVの管理者はネットワークファンクションチェインをAHVネットワーク(AHVホスト上の単一VLANが対象です)全体からトラフィックをリダイレクトすることで作成します。例えば、Exchangeネットワークの全てのトラフィックをファイヤウォールアプライアンスへとリダイレクトすることができます。将来のリリースにおいてNutanixはファンクションチェインがもっときめ細やかなレベルで運用できるようにそしてPrismベースのUIからそれが行えるように計画をしています。こうした改善の計画についての幾つかについては以下で述べていきます。

直近の記事で、アプリケーションポリシーでサンノゼの人事部がExchangeのエッジトランスポート層と通信ができるように許可しました。この例を拡張して、「East West ファイヤウォール」サービスチェインを使って、ポリシーの作成中に特定のトラフィックをネットワークファンクション仮想マシンにリダイレクトするようにしてみましょう。そうすることで「East Westファイヤウォールアプリケーションの検査が終われば、サンノゼの人事がExchangeエッジトランスポート層にアクセスできるようにする」というポリシーを定義することができるのです。

Fig294

上の画像はPrism内のファンクションチェインの管理UIのもので、次のリリース時には利用ができるようになるものです。Redirect through service chain(訳注:サービスチェイン経由でリダイレクト)にチェックを入れることでただのワンクリックでトラフィックを特別なファイヤウォールサービス仮想マシンへとリダイレクトし、さらなる処理を行うことができます。トラフィックが常にこの経路を通ることを保証するために、我々はAHVホスト内の仮想化スイッチ内部にいくつものルールを実装しました。以下のダイアグラムはトラフィックパス内のEast Westファイヤウォールを顕しています。あらゆる仮想マシンへのまたは仮想マシンからのトラフィックは最も右のブリッジ br0 から内部のスイッチへと至ります。もしくは物理ネットワークへのアップストリームとしてスイッチされます。この例ではbr.nf ブリッジ(またはネットワークファンクションブリッジ)内のルールで人事の仮想マシントラフィックをリダイレクト ー 右または左へと ーしてネットワークファンクション仮想マシンへと導きます。

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br0.local ブリッジは一つの仮想マシンが他の仮想マシンと直接通信することを一切許しません。特定の仮想マシンからのトラフィックは残りのブリッジチェインを流れながら処理され、ブリッジチェインから仮想マシンへのトラフィックも同様です。

ルールを作成し、特定のトラフィックをネットワークファンクションチェイン経由で流せるようになったので、今度はどのようにサービスもしくはエージェント仮想マシンを展開するのかを見ていきましょう。それぞれのネットワークファンクションはそれぞれのAHVホスト上で動作させなくてはなりません。こうすることでサービスチェインをホスト上に構成し、ファンクション仮想マシンを展開して、チェインの中に引っ掛けることができます。もしもこの手順を手動ですべてのホスト場で行わなければならないとしたら、こうした手順内では多くのエラーが起こる可能性が含まれてきます。

ですが、それぞれのステップを手動で実施する必要はありません。なぜなら、次のリリースにはNutanix Calmが含まれており、これを助けてくれるからです。Calmはパロアルト社のVM-シリーズファイヤウォールをNutanix AHVホスト上にブループリントに沿って展開するだけでなく、必要に応じてコントローラーを構成することもできます。ですから上で示したように新しいEast Westファイヤウォールサービスを使い始める際にセキュリティポリシーが正しいことだけをチェックすればよいのです。

Fig296

AHV上で動作しているあらゆる仮想マシンがネットワークファンクション仮想マシンを利用することができます。上で紹介したパロアルトネットワークスのVM-シリーズのファイヤウォールはNutanix上に展開できるNFVの例のホンの一つです。お使いになりたい製品を自由に使うことができます。私のラボではオープンソースのツールを仮想マシンとして動作させ、ファンクションチェインではAHV上の全てのホストにパケットキャプチャとIDSの機能を提供しています。

シリーズのサマリ

今回のシリーズでは同時にどれだけ可視化自動化、そしてセキュリティが近年のデータセンタネットワーク戦略の中で重要なコンポーネントになったのかを述べてきました。Nutanix AHVは接続性とフローマッピングの両方をPrismで可視化しています。自動化はベンダーに依存しないライフサイクルイベント通知とCalmによる複雑なネットワークサービスの展開と構成の両方によって提供されます。複数の段階で階層化された絶妙なネットワークセキュリティを提供しています:

  • 接続性とフローの可視化によって怪しいものがないか見つけられる
  • トップオブラック(ToR)スイッチを統合することで、ほんとうに必要な接続性だけが有効になり、必要のなくなった接続性はすぐに削除される
  • 仮想化スイッチレベルのポリシーベースのマイクロセグメンテーションで正しいフローのみがネットワーク内で許可される
  • 先進的なセキュリティサービスとの統合でこうしたトラフィックをっ更に深く検査することができる
  • Calmの自動化によって管理上の手間を緩和し、先進的なセキュリティサービスまたはNFVのシンプルな展開を可能とする

こうしたネットワークの機能を組み合わせることでワンクリックネットワークは現実のものとなるでしょう。

今回のシリーズはお楽しみいただけましたか? コメント(※訳注、日本語版のコメントはぜひ当社のTwitterへ)かNutanixのTwitterにお願い致します。もしも技術的にもっと深く知りたいのであれば、今はまだここまでです。

議論を続け、皆でオンラインフォーラムでつながっていきましょう。

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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@Networld_NTNX

Ntc2017_2

今回はサービスチェインについてです。現時点ではVLANを全て引っ掛けてしまうよう実装のようでちょっともったいない感じもしますが、将来的にもっと細かい設定が・・・とあるので期待しましょう。そしてこちらも予想通りCalmでNFV仮想マシンを自動展開・構成できるようです。

Calmに対応したNFVであれば展開/構成までがワンクリック・・・本当にインフラに使う時間が削減されそうです。

以前も述べたようにNutanixを使う時間が少なければ少ないほどよい・・・そんな未来がネットワークの設定の分野でも間近に迫っています!