記事の原文はNutanixコミュニティのブログNutanix Connect Blogの記事の翻訳ヴァージョンです。原文の著者はNutanix社のSr. Manager, Technical Marketing EngineeringであるPaul Updike氏、およびSr. Technical Marketing EngineerであるAndy Daniel氏、およびSr. Product Marketing ManagerであるMarc Trouard-Riolle氏によるものです。原文を参照したい方はFive secrets traditional storage array vendors don’t want you to know about NVMeをご確認ください。情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。
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Non-Volatile Memory Express(NVMe)は、従来からのストレージ装置が膨大なストレージデバイスを利用し、その駆動のために製品への巨大な投資が必要になるというやり方を破壊しつつあります。どうしてかって? それはNVMeは従来型のストレージアーキテクチャではないからです。実際、フラッシュストレージの最初の波(SSD)もそうではありませんでした。しかし、製品をより市場に早く送り出し、幅広く浸透させるため、ドライブのインターフェイスとプロトコルは変更されませんでした。最初のSSDはフラッシュを従来型のストレージアーキテクチャで利用するために設計されていました。この要件を満たすために、SSDは従来型の回転するハードドライブを模倣しています。データの入出力はハードドライブのインターフェイスを通り、その先に回転するお皿があるかのように振る舞っており、その模倣の持つ制限に縛られているのです。これを心に留めて考えると、以下はNVMeについて従来型のストレージベンダーがあなたに知ってほしくないことなのです:
殆どの新しいテクノロジーと同様に最初のドライブは一般的なデスクトップそしてサーバシステムの内部に搭載されます。今日ではNVMeテクノロジーはほとんどのメジャーなベンダーのサーバー内に搭載して購入することができます。もちろん、Best Buyで個別のユニットを買うということもできます。ゲーマーならそれをデスクトップに搭載しますし、もしも昨年購入したノートパソコンであれば、NVMeはすでに搭載されているかもしれません。残念なことにNVMeと他の多くのマスマーケットを対象にしたテクノロジーはサーバー内で利用されるために設計されており、ストレージ装置で利用されるようになるまでに長い時間がかかります。(Nutanixのハイパーコンバージドインフラストラクチャはサーバーベースのテクノロジーです)
2. 新しいアーキテクチャでは高可用性が必要とされる
従来型の装置はSASとSATAインターフェイスを利用するために設計されています。SASは元から1つ以上のコントローラーと同時に接続するためにデュアルポート構成で、装置ベンダーは特殊なトランスポーター(転送機)を利用してSATAでも同じことができるようにしています。NVMeのアーキテクチャはSASまたはSATAのコンポーネントを利用しません。そして、全く新しい設計が必要になります。最初のNVMe 1.1のスペックでは、U.2 デュアルポートのNVMeドライブが2016年の初期にアナウンスされました、しかし、このデュアルポートの能力を持つドライブを出荷しているメジャーなベンダーはありません。デュアルポートのU.2は複数のPCIeレーン(各コントローラーに2つ)が必要だということを覚えておいて下さい。これはスループットを制限する可能性があります。(Nutanix ハイパーコンバージドインフラストラクチャは高可用性のために複数箇所でドライブをマウントする必要はありません)
3. NVMe はホットスワップが難しい
NVMeはPCIe上でダイレクトに動作し、PCIeホットスワップがプラットフォームで完全にサポートされていなくてはなりません。ホットプラグ可能として販売されているNVMeドライブはありますが、それは特定の物理プラットフォーム、CPU、オペレーティングシステム、そしてドライバーが揃っている場合だけです。現在のドライバーはサーバープラットフォームとOSのために書かれたものです。繰り返しとなりますが、このサポートにはベンダーの専門性が必要とされます。(Nutanixではワークロードを移行させ、ノードレベルで停止無く修理を行うことができます)
4. リモートのNVMeデバイスを完全活用するためにはRDMAが必要となる
複雑怪奇なPCIeのスイッチの設計の他に、リモートのNVMeへ従来型のファブリック(イーサーネットやファイバーチャネル)経由でアクセスするためには遠隔ダイレクトメモリアクセス(remote direct memory access ー RDMA)とNVMe over Fabric(NVMeF)のような新しいプロトコルが必要になります。RDMAでスタックをバイパスせずに、単純なTCP/IPスタックを利用していてはNVMeによるレイテンシーの削減を台無しにしてしまいます。多くの業界のスタンダードと同じように、NVMeFの開発は遅く、現在殆どのストレージベンダーがこれを出荷していません。(NutanixはRDMAを活用する際にNVMeFを利用する必要はありません)
5. NVMe をストレージ装置上で利用する場合にはより多くのリスクが集中します
ストレージ装置ベンダーはデータをデータセンタ内で成長、統合させたいため、実際のところ多くのストレージベンダーがこれを推奨しています。多くのベンダーの目的は古い世代のハードウェアの定期的な交換です。これをより早くするため、大きなキャパシティを持つストレージでは同一システム内にデータを固めなくてはなりません。それは「バスケットの中の卵」のようなリスクで、より膨らんでいくのです。(Nutanix エンタープライズクラウドはノードの単位で成長していきます。リスクは集中するのではなく、より分散していきます)
NVMEを今すぐに活用するにはどうしたら…
Nutanixは新しいオールフラッシュノードを追加します。NX-9030シリーズプラットフォームはSATA SSDとNVMeを搭載しています。まとめにその方法を記載します:
1. 我々のクラスターノードはサーバーの標準的なアーキテクチャです
2. 我々の障害と交換の対応はノードレベルで非常に簡単です。NVMeが障害を起こすことも想定済みです。
3. 我々はソフトウェアをNVMeを思慮深く利用するようにカスタマイズし、パフォーマンスを向上させています。
4. 我々は迅速に既存のRDMAテクノロジーを活用する方法を開発しました。これは新たな業界標準には依存しません。
5. 我々のエンタープライズクラウドはリスクを集中させるのではなく分散します。
究極的に、Nutanix製品は革新的なソフトウェアです。我々のハイパーコンバージドインフラストラクチャの哲学をベースとした障害前提ウェブスケール設計は迅速な革新的なハードウェアベンダーからの新しいハードウェアテクノロジーの適応を実現します。サーバの革新の波にのることで、我々はお客様がより早くポジティブなビジネス成果をあげることのお手伝いをすることができるのです。
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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@Networld_NTNX)
さて、抽象度の高い記事で、訳しにくいAndy Danielさんも共著のブログですが、割りと今回訳しやすかったです。
ストレージベンダーがNVMeについて知ってほしくない5つの秘密・・・ですが、以前翻訳した「フラッシュにとってネットワークは遅すぎる、どうしたら?」もその一つであると思います。今回はネットワークスピードではなく新たなNX-9030プラットフォームが登場しますので(Readはローカリティで回避、でもWriteでは不可避であった)ネットワークスピードの問題もRDMAで低減してきています。NVMeFを使うとどれぐらい良いのかはこちらなどでも結果が紹介されていますが、リモートへのWriteもローカルとほとんど変わらないようなスピードが実現されています。(これはNutanixを対象とした検証ではありませんし、単にネイティブとイーサーネット、インフィニバンドの比較を行うため、ファイルシステムなども加味されておりません、あくまでどれぐらいのレイテンシなのかということのご参考です)。