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その名はVSPEX BLUE

こんにちわ、EMC担当の石塚です。エイプリルフールにブログを投下するとネタのように思われそうで迷ったのですが、気にせず始めたいと思います(笑)

弊社のVMware担当の三好も参加していた2月VMware PEXで発表されたEMC版EVO:RAIL「VSPEX BLUE」を皆さんはご存知でしょうか?

そもそもEVO:RAILはハイパーコンバージドインフラと呼ばれる垂直統合型システムインフラのジャンルに属するパッケージ製品のブランド名です。VMware社が策定した検証済みスペックを元にhp社やDELL社など各社がリリースしています。基本的なスペックは以下の通りです。

Blue_spec_2

既に米国のEMC Storeにも登場しています。

EMC VSPEX BLUE Hyper-Converged Appliance
https://store.emc.com/us/Product-Family/EMC-VSPEX-Products/EMC-VSPEX-BLUE-Hyper-Converged-Appliance/p/EMC-VSPEX-BLUE

どのベンダーからリリースされているEVO:RAILもこのスペックでリリースされています。ここで「だったらどこのベンダーのEVO:RAILを買っても同じものと言うこと?」と言う疑問が生まれます。しかも、EMC社にはVCEと言うコンバージドインフラは以前からありました。初めてEMC社がEVO:RAILをリリースすると聞いたとき、この疑問を担当者に質問したところ、当たり前だとは思いますが、ハードウェアスペックは全ベンダーで同じですが差別化要素はきちんとありました。

 

差別化ポイントその1:ゲストOS単位の保護機能

VSPEX BLUEにはいくつかのオプションがバンドルされていますが、その中でも特筆すべき機能があるのですが、そのなかでも 「RecoverPoint for Virtual Machines」のライセンス(15ゲストOS)がバンドルしている点に注目せざるを得ません。

RecoverPoint for Virtual MachinesはESXiサーバーのvmkernelにインストールする「スプリッタ」と呼ばれるモジュールと、vRPAと呼ばれる仮想アプライアンスで構成されます。スプリッタはゲストOSで生じた「書き込みIO」を検出し、データストアに書き込むのとともにvRPAにも書き込みIOを送信します。そして書き込みIOを受信したvRPAは過去に受信した事があるデータであるか判断し、新しいIOであれば保存し、以前にも受信したことがあるデータであれば重複排除処理を行って記録だけを保存します。この動作をほぼリアルタイムで行うことができます。つまり、書き込みの度に記録を取っている=書き込みの度にスナップショットを取得している状態です。

Rp4vm_2

管理出来るスナップショットはvRPAに割り当てている保存領域の容量次第なので1,000を超えることも容易に可能です。しかも、保護単位はゲストOS単位ですから、リストアもゲストOS単位です。リストアについても「リハーサル機能」があるので、完全なリストアを行う前に希望しているタイミングのものなのか確認することができます。これらの操作をvSphere Web Clientから行うことができます。

 

差別化ポイントその2:パブリッククラウドとも連携してハイブリッドクラウドが構築できる

EVO:RAILは内蔵ストレージでVSANを構成して運用することが基本になっています。ベンダー各社がそれぞれにストレージオプションを提供するようですが、VSPEX BLUEにはクラウド連携が可能なCloudArrayの10TBライセンスがバンドルされていいます。

CloudArrayは運用ボリューム上のデータをポリシーに従って、プライベートクラウドパブリッククラウドへデータを転送できるソリューションです。例えばバックアップや災害対策であったり、容量の疑似的な拡張を実現できます。ユーザから見れば特に意識せず、プライベートクラウドパブリッククラウドが連携した「ハイブリッドクラウド」が構成できます。オールインワンとしてリリースされているEVO:RAILなので、Software Defined Data Centerとしてはこのハイブリッドクラウドは魅力的かと思います。

 

差別化ポイントその3:VDPAで直接DataDomainへバックアップ

ここまではバンドルされている仮想アプライアンスでオールインワンパッケージになっている点についての差別化ポイントを紹介させて頂きましたが、外部連携オプションとして弊社のバックアップチームが支援させて頂いているDataDomainとの連携もサポートされています。 EVO:RAILはVMware Data Protection Advanced(VDPA)が利用可能です。 VDPAはEMC Avamarの仮想アプライアンスによって実装されているディスクへの重複排除バックアップソリューションであることはご存知かと思います。このVDPAとDataDomainを組み合わせると、VDPAアプライアンスを介さず、直接重複排除されたバックアップデータをDataDomainに保存することができます。また、バックアップデータを保存したDataDomainから別のDataDomainへのレプリケーションも可能です。当然、レプリケーションで転送されるデータも重複排除された状態ですから、転送量を最小限に抑えることが出来ます。バックアップデータをメインストレージとは別のシステムに保存するポリシーのユーザ様にとってはメリットの多いソリューションになります。

 

上記の3点以外にも、故障時にメーカーサポートへ自動的に通知し、オンサイト対応せずに迅速に故障個所を切り分け、調査を行うプロアクティブなサポートが可能なEMC Secure Remote Supportにも対応しています。 また、ロードマップ上ではEMCが得意とするハードウェアストレージのオプションも控えているようです。例えば超パフォーマンスを必要とするシステムなのであればXtremIOの選択の技術者視点からすると、とにかく早く触ってみたい!!と思います。インプレ、各種オプションの検証などをこの場でご提供したいと思っていますので、期待してお待ち下さい。