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VMware Cloud Foundation 9.0 VCF コンバージョン編

こんにちは、VMware製品担当です。
VMware Cloud Foundation 9.0(VCF9)連載の第5弾です。

 

今回は、vSphere8からVCFへのコンバージョンの流れを紹介したいと思います。
vSphere8からVVFへのコンバージョンについては、前回の記事をご覧ください。

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まずはvSphere8からVCF9へアップグレードする際の条件について確認します。
vSphere8で利用しているコンポーネント次第で手順が変わってきますので、利用中のコンポーネントを確認し、どのシナリオが当てはまるのかを確認しましょう。
https://techdocs.broadcom.com/jp/ja/vmware-cis/vcf/vcf-9-0-and-later/9-0/deployment/converging-your-existing-vsphere-infrastructure-to-a-vcf-or-vvf-platform-/supported-scenarios-to-converge-to-vcf.html

 

今回はESXとvCenterのみを利用しているケースをご紹介したいと思います。
大まかな流れとしては、以下となります。
①vCenterを9.0へアップグレード
②ESXを9.0へアップグレード
③VCF Installerのデプロイ
④VCF Installerから既存vCenter/ESXを利用してVCF9の展開

 

①と②については、従来のvSphereのアップグレードと基本的に同じ手順となるため割愛させていただきます。

③については、こちらのブログをご覧ください。

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※VCF Installerをアップグレード対象のESX上に構築する場合には、VCF Installerはアップグレード完了後にSDDC Managerの機能も兼ねるため、それらを考慮したホスト名などを設定してください。

ではvCenterとESXをバージョン9.0へアップグレードし、VCF InstallerのデプロイおよびVCFバイナリのダウンロードが完了した後の手順をご紹介します。
基本的な流れはデプロイ編と同様ですが、既存vCenterを選択したり少し手順が異なる部分があります。

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VCF Installerにログインし、デプロイウィザードからVMware Cloud Foundationを選択します。

 

今回は既存vSphere環境を利用して最初のVCFインスタンスを構築するため、「新しいVCFフリートのデプロイ」を選択します。

 

既存のコンポーネント画面から、「VMware vCenter Server」にチェックを入れ進みます。

 

VCFの全般情報を入力します。
VCFインスタンス名や管理ドメイン名は用途に応じてわかりやすい名前をつけます。
DNSサーバとNTPサーバは事前準備が必要で、
OperationsやAutomation、NSXなどの各コンポーネントのDNSレコードは事前に全て設定しておく必要があります。


VCF Operationsの情報を入力します。
VCF Operationsアプライアンス、フリート管理アプライアンス、Operations CollectorアプライアンスのFQDN、パスワードを設定します。


VCF Automationの情報を入力します。
検証環境のリソースの都合により、今回はデプロイしません。
VCF AutomationはVCF9へのアップグレード完了後に、後からデプロイすることも可能です。
最小サイズでも24vCPU/96GBメモリとサイズも大きいため、今回はスキップします。


vCenterの情報を入力します。
既にvCenter9.0へアップグレードしたvCenterを指定し、ユーザ-名とパスワードを入力します。

 

NSX Managerに関する情報を入力します。

 

SDDC Managerに関する設定を行います。

今回、VCF Installerはアップグレード対象のESX上に構築しました。

その場合には、VCF Installerはアップグレード完了後に削除されず、アップグレード完了後にはSDDC Managerとして利用され続けます。

 

 

確認画面が表示され、設定内容の一覧が表示されます。

設定内容を再度確認し次へ進みます。

 

プリチェックが行われます。

エラーがある場合にはデプロイを開始できません。

エラーになった場合は、エラー内容を確認、修正しデプロイを開始します。

 

しばらく(数時間)待つとVCFの追加コンポーネントの構成などが完了します。

VCF Operations管理コンソールにログインし、ライセンス認証などの操作を実施します。

以上でVCF9へのコンバージョンは完了です。

 

ライセンス認証は、こちらのブログをご覧ください。

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VCF9へのコンバージョン後のvCenterの画面を見てみると、追加コンポーネントがデプロイされていることがわかります。

今回はVCF Automationのデプロイなし、管理コンポーネントはシングル構成でデプロイしています。

vSphere8から増えるコンポーネントを確認しておき、事前にサイジング等々しておきましょう。