皆様、こんにちは。
ネットワールド SEの目木です。
今回はAmazon Workspaces上でのTeams最適化機能の動作について検証しましたので、その詳細を紹介していきたいと思います。
Teams最適化機能の概要
Teams最適化機能とは、VDI上においてTeamsを利用する際にその通信処理を部分的にユーザ端末へオフロードすることで、VDIおよびネットワークへの負荷を軽減してTeamsのユーザエクスペリエンスを改善するための機能です。
もともとVDIにおいてTeamsやZoomのようなコミュニケーションツールを導入する際には、よく以下のような懸念点があがっていました。
- VDIのリソース消費
昨今の物理端末では標準的となったGPUが付与されていないことが多く、動画/画像処理が必要と
なるコミュニケーションツールはVDIに想定以上の負荷がかかる可能性があります。 - ネットワークへの負荷
ユーザ端末からVDI、VDIからTeamsサービス、とVDIを中心として通信が2方向へ発生することで
ボトルネックとなる箇所が増加し、高品質な通信を担保することが難しくなります。
特にユーザ端末が社外にありつつVDIが社内にあるような構成では、自社のネットワークに対して
2重に通信が発生するため負荷も増加します。 - 動画転送時の圧縮処理
動画情報の転送において通信帯域を低減するために、画面転送処理時に圧縮をかけるパターンも
ありますが、こちらも画面の品質低下を引き起こすため、ユーザエクスペリエンスの低下が
懸念されます。
これらの問題を解消するために、ボトルネックとなりやすい音声の入出力、画面共有の通信をユーザーデバイスから直接Teamsのサービスへと流すのが、最適化と呼ばれる機能です。

こちらの機能については、Azure Virtual Desktop / Citrix / Horizonなど各社のVDI製品にはすでに提供されておりましたが、このたびAmazon Workspacesに対してもプラグインが提供されることになりました。
Componentsおよびシステム要件に以下の内容が確認できます。
※2025/9時点ではPublic Preview
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コンポーネント |
役割 |
更新 |
大きさ |
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プラグイン |
クライアント側 VC dll。 SlimCore のダウンロードとクリーンも担当します。 |
頻度が高くありません (理想的には更新プログラムはありません)。 |
約 200 KB。 |
RD クライアント 1.2.5405.0 または Windows App 1.3.252 以降にバンドルされています。 Citrix CWA 2402 以降では、プラグインをフェッチしてインストールできます。 Amazon WorkSpaces クライアント 5.28.0.5487 以降にバンドルされています |
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要件 |
最小バージョン |
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Teams |
25198.1109.3837.4725 (Amazon の場合) |
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Amazon WorkSpaces |
現在パブリック プレビュー中です。 クライアント 5.28.0.5487。 WSP (サーバー エージェント) 2.1.0.1840 |
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Endpoint |
Windows 10 2019/2021 の Windows Enterprise LTSC Thin クライアント |
プラグインの情報からも読み取れる通り、ユーザ端末にインストールするAmazon WorkspacesのクライアントにTeamsプラグインが同梱される形となっていますので、Teams/Workspacesクライアントのバージョン要件がクリアできていれば動作します。
一方で、Teamsプラグインと連携できないWebブラウザからの接続はサポートされていない点については留意しておく必要がありそうです。
検証
ここからは実際の動作についてみていきたいと思います。
今回はStandardモデルのWorkspaceを用意してTeamsをインストールしました。
Teams最適化を実行するための準備として、マイク、カメラ、位置情報へのアクセスは事前に許可しておきます。

また、検証時点では最適化機能はPublic Previewでしたので、Teamsを起動して[設定]>[Teamsについて]と開き、[早期アクセス]内のパブリックプレビューについても有効としています。

この状態でTeamsを再起動すると最適化が開始されます。
最適化中にVDI上のTeamsからユーザ端末のカメラ等へアクセス許可が要求されますので、こちらは順次許可していきます。

最適化が完了するとTeamsの画面左上に"最適化済み"と表示されます。

最適化動作後にTeamsの会議を開始するとユーザ端末側にて”Microsoft Teams VDI Slimcore host”プロセスが稼働し、音声の入出力、共有画面情報がユーザ端末からTeamsサービスへと通信が実行されます。

※最適化対象の通信はUDP:3478-3481

また、上記の画面を取得した際にTeamsの最適化有無によるアプリのCPU消費についても確認しました。
Teamsアプリとして最適化ありの環境ではCPUの消費が10-20%で推移していたのに対し、同じテストを最適化なしの環境で実行すると50-60%程度で推移していました。(Standardモデル:2vCPU, 2.5GHz)
この結果から最適化によってVDIのリソース消費が軽減される効果も確認できました。
動作確認としては以上なのですが、テスト中画面共有においてアプリウィンドウが選択できない点が気になりました。

最適化機能は、他社VDIソリューション向けでリリースされた際にもクライアントアプリとプラグインのアップデートとともに徐々に制限事項が解除されていった、という前例もありますので、実導入の前には一度動作を確認して現バージョンにおいて利用者視点で問題がないことを確認いただくのがよいかと思います。
まとめ
今回の検証を通して、Amazon WorkspacesにおいてもTeams最適化機能による一部通信のオフロードが想定通りに動作することを確認できました。
VDI上でのTeamsの利用には最適化を検討することが一般的になっていることもあり、対応できるようになったというニュースはAmazon Workspacesを提案するうえでよいことかと思います。
本検証が皆様の提案の参考になりましたら幸いです。