本記事はNutanix社のオフィシャルブログの翻訳版です。原著者はNutanix社のVP of Client Strategyとして活動しているSteve Kaplan氏です。
原文を参照したい方はBuy Less Nutanix!をご確認ください。情報は原文の投稿時のままの情報ですので、現時点では投稿時の情報と製品とで差異が出ている場合があります。
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「それはつまり・・・Nutanixをたくさん買ってはイケナイと言っているのですか?」
東京でとあるCIOが私が経済的なモデル化の方法を説明した後に私に言った言葉です。私の隣には営業マンが座っていましたので、ちょっと具合が悪かったのですが、私は「そうです、経済性のモデルの観点から言うと、どうして必要以上にNutanixを買う必要があるのでしょうか?まず一つに、将来的に買収されたりすることもあるかもしれませんし、そうでなくても追加で購入するという必要性は出てきます。それ以上に今の実装が気に入ったとして、それを拡張したいと思うはずです、そのときには実際に製品が必要なタイミングまで待てばいいのです。最初にまとめて購入するときよりも、より少ないノード数で住むようになっているはずです。」
Nutanixの営業チームはなぜNutanixのエンタープライズクラウドがゲームを変える技術であるかをよく理解して、組織への提案を行います。クライアント戦略チームの役割はNutanixがどのようにゲームの経済原理を変えるのかをお見せすることです。
NutanixはITの経済原理と運用のあり方を無数の方法で再構築し、そのうちの多くが様々なアナリストのレポートとしてドキュメント化されています ー IDC(TCO/ROI)、IDC(組織の変革)、そしてESGなのです。もっとも強力な経済的なメリットはNutanixの1クリックのソフトウェア定義のアップグレードと段階的な消費の能力をムーアの法則と関連付けられて語られる継続的な技術の進歩と組み合わせたところにあります。
段階的な消費
オールフラッシュ装置を含むSANは拡張性に制限を持つこと以外にもいくつかの経済的な課題を抱えています。従来型の3階層のインフラストラクチャ(集中化されたストレージ+ストレージネットワーク+コンピューティング)では、新しいストレージを追加することは新しいインフラストラクチャのサイロの追加と苦痛を伴うデータの移行作業が必要になります。
結果としてSANを購入した場合には大抵、必要な以上に最初から多くの容量を購入して置かなくてはいけませんが、これはラックスペースや電力そして空調のコストが嵩む上に、余分なハードウェアの減価償却まで行う必要が出てきます。そして、必要以上のSANの容量があるにも関わらず、決められた製品の更新日時までには会社はフォークリフトアップグレード(機材の全取替)を行う必要があるのです。
Nutanixはマウスを1回クリックするだけで追加ノードをクラスタに追加でき、古いノードはかんたんに退役、もしくは目的を変更することができるという根本的に異なる利用体験を提供します。これによってクラスタは「成長」し、サイロと苦痛を伴いデータ移行はなくなるのです。
Nutanixのキャパシティのフォーキャスティングとモデル化の能力によって、今後の需要を予測はとても簡単になります。そして一口で食べ切れるだけのサイズのインフラストラクチャを購入するほうが大きな単位での購入するよりもチャージバックもしくはショーバックシステムのセットアップは簡単になります。
1クリックのソフトウェア定義のアップグレード
もう一つのSANが抱える経済的な課題はファームウェアとその下のプロプライエタリハードウェアの密な連携の結果です。SANを利用しているお客様はSANのファームウェアの新しいヴァージョンをダウンロードすることができず、3年間経年した古い装置が新しい装置として振る舞うことはありません。
一方でNutanixを利用しているお客様では、それをまさに行うことができます。1クリックでいつ導入したのか、どこにあるのかにかかわらずノードをアップグレードすることができ、最新のNutanix Acropolis オペレーティングシステム(AOS)にするだけではなく、サーバのファームウェアやハイパーバイザーさえもアップグレードすることができます。これらのアップグレードは基本的に自動化されており、ローリングで行われ、1つのノードがオフラインになり、アップグレード検証されて、オンラインに戻り、次のノードへという動きをアップグレードが完了するまで繰り返します。
以下の写真は自身のNutanixノードをテスラ(電気自動車)からアップグレードしている際につぶやかれたツイートです。私は一度、あるお客様がビーチでバケーションを楽しんでいる最中にiphoneから本稼働環境をアップグレードしたと言っているツイートを見たこともあります。こうしたことをNutanixはベスト・プラクティスとして推奨しているわけではありませんが、1クリックアップグレードはそれができるほどにシンプルなのです。
すべてのノードが同じAOSで動作し、単一のPrism管理画面から管理できるだけでなく、AcropolisブロックサービスやセルフサービスポータルなどのAOSの最新のリリースで登場した新しい機能を利用することも可能です。そしてNutanixは継続的に、そして劇的にそのソフトウェアを改善し続け、パフォーマンスとキャパシティの双方を改善させます。
先に出てきたMattias Sundling氏のツイートはその一例で、ディスク容量をTBの単位で改善させました。以下のHugh Devaux氏のツイートはAOS 4.5から4.72へのアップグレードの際にIOPSが40%も向上し、レイテンシが50%も低減したというものです。
このパフォーマンスとキャパシティの改善はノードあたりの仮想マシンの密度を更にあげられるということを意味します。Nutanixのお客様は、追加のコストなく ーそもそも全くハードウェアに触ることすらなくー保持しているノード全体で動作させられる仮想マシンの数を増やすことができるということです。Nutanixの環境を拡張するにつれて、徐々にSAN(英語?フランス語?の洒落・・・日本語にできませんでした・・・)時代に必要だったノード数よりも少ないノード数しか必要となくなり、1クリックアップグレードでそれが更に改善されていくのです。
ムーアの法則
ムーアの法則はプロセッサ上のトランジスタの数が18ヶ月ごとに倍になるということを宣言したものであり、長きに渡ってIT産業を牽引してきました。ノートPC、ワールドワイドウェブ、iPhone、クラウドコンピューティングそして、直近ではソフトウェア定義のインフラストラクチャがその例で、これまでにないスピードのCPUによって実現されてきました。
様々な懸案にもかかわらず、技術革新による継続的なパフォーマンスの向上に終わりは見えません。これはパフォーマンスをどのように達成するかという原理が例えばコアをより増やすこと、光通信やメモリスタなどと、当初と変わってきていたとしてもです。例えばNVMeはすでに利用できますし、3DXPointがすでに地平線から昇ってきつつあります。
Nutanixのお客様はご自身のプロジェクトを何年も先まで継続して拡張することができます、ハードウェアがその密度を上げ、同じワークロードを動作させるのに必要なノード数が減少していきます。この数字はソフトウェア定義の1クリックアップグレードで既存のノードの密度も追加することもできるため、より少なくなっていきます。
以下のテーブルはどのぐらいの能力を得ることができるのかということを経験則から導き出したものです。このチャートは組織がVDIへと移行する際のものですが、あらゆる仮想化ワークロード:Splunk、ビッグデータ、プライベートクラウド、サーバ仮想化、災害復旧、拠点、ユニファイドコミュニケーション、SAPまたはOracleベースのERP環境などについて適用することができます。この例では5,000台のPCが5年間かけて入れ替わっていきます。つまり平均して1,000ユーザーが毎年マシンを入れ替えていきます。
更新のタイミングでPCをアップグレードする代わりに、情報システム部門はそれをシンクライアントとして動作するようにロックダウンし、ユーザーは仮想化デスクトップをもらうようになります。この例では最初の1,000ユーザーが更新を迎え、データセンタ内の8ノードのNutanixノードで仮想化デスクトップを動作させています。
ソフトウェア定義の1クリックアップグレードとハードウェア定義の技術革新の間で、もしも平均的に密度が毎年25%向上するとすると、次の2年目の1,000ユーザーの更新のためには6台のNutanixノードしか必要でなくなるということです。そして、最後の年の1,000ユーザが5年後に更新を迎えるときには仮想化デスクトップのためのNutanixのノードは3台しか必要なくなっているということになります。
VDIのプロジェクトのための初期導入コストはラックスペース、電源、空調などと関連づいています。ですが、おそらくそれよりも重要な事はNutanixはすべての3階層の構成で購入後に迎えなければならない、新しいSANへの効果で高くつく(すべてのハードウェアの)入れ替えのリスクを排除できるということです。Nutanixのエンタープライズクラウドプラットフォームにはフォークリフトアップグレード(ハードウェアの全入れ替え)は存在しない概念なのです。
プラットフォームを販売し、製品を販売しない
私が事前に多くのNutanixノードを買ってはいけないという私の宣言をした後に、数秒の空白があり、そのCIOは「でも、それって売上を害するよ」と言いました。私は「そう、お考えになるのは最もです、ですが、我々は絶対にそうならないということを知っています」と答えました。
実際、Nutanixのお客様は多くのノードを購入されます - 実際に多く、何度も。例えば2016年の10月31日に終えたNutanixの四半期の終わりに、当社はGlobal 2000のお客様のうちの376社は結果として最初の導入の7.3倍もの購入がなされたとレポートしました。
私はそのCIOに対して、購入が増える主な理由は2つであると説明しました。最初の原因はお客様がNutanixを新しいユースケースのために導入しますが、すぐに売上が増える、開発者のビルド時間が減る、社員の生産性が改善するなどのビジネスメリットを目にすることになります。その結果だけで情報システム部門がプロジェクトの展開を加速し、何年も全体の実装のために待とうということをしなくなります。
2つ目の原因は単に、Nutanixを最初のユースケースのために展開した後、情報システム部門が環境のシンプル化、ダウンタイムの削減、アプリケーションパフォーマンスの向上などを目の当たりにし、Nutanixのエンタープライズクラウドが組織全体へ広がって、追加のユースケースでのプラットフォームとして採用されていくからです。
少きは多きに勝る
私はこの記事の冒頭で我々の営業マンの前でNutanixをたくさん買ってはいけないと言うのが具合が悪かったとちょっとしたジョークを言いました。こうしたタイプのユーモアはお客様が多くの余分なストレージ容量を購入するような典型的な3階層の環境ではもちろんですが、全く同じことが仮想化とそれにまつわる結果としての「シェルフウェア(棚に並べられたソフトウェア)」にも当てはまります。Nutanixは成長するときにだけ支払う(Pay-as-you-grow)モデルをお客様に推奨するだけではありません、我々の営業はRunwayやSizerのようなツールを用いてお客様に現在必要としている以上のものを購入しないようにお客様を誘導します。
そもそもの始まりから、Nutanixは「少きは多きに勝る」という哲学を持っています。インフラストラクチャ、管理、アップグレード、そして仮想化から複雑性を取り除き、クラウドのようにシンプルで俊敏性がありながらも、オンプレミスの統制のある状態を作り出しました。必要とされているだけの購入で済み、プロジェクトが拡張していくほどに必要なノード数が減っていく、お客様には自身のビジネスを変革していくだけの削減効果を残します。
以下もご参照を
- Capacity Behavior Trends. Nutanix
- Hyperconverge Your IT Staff. 01/06/2017. Steve Kaplan. By The Bell.
- Financial Modeling in the Era of Hyperconvergence and Cloud. 09/23/2016. Steve Kaplan. By The Bell.
- 7 Reasons why AHV is the Next Generation Hypervisor. 12/01/2015. Steve Kaplan. Nutanix.
- The 10 Reasons why Moore’s Law is Accelerating Hyperconvergence. 04/06/2015. Steve Kaplan. Channel Disrupt.
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記事担当者: マーケティング本部 三好哲生 (@Networld_NTNX)
3月末公開予定の記事ですので、次年度(当社は12月が期末ですが、一般的な日本企業に合わせて3月期末のつもりで書いています)を始めるにふさわしい記事を持ってきました。「Nutanixはたくさん買ってはいけない!」衝撃的なタイトルですが、Nutanixプラットフォームにおいて、これは当たり前です。売り手側の心理はたくさん売りたいとなるのですが、Nutanixの消費モデルはこの売り手の心理とは真逆、買い手側の最も都合の良いロジックそのままです。この考え方はムーアの法則によるハードウェアの価格の下落とソフトウェアでアップグレードし続けることができるという保証さえあれば永遠に続くロジック・・・そしてメリットです。
Googleはなぜ検索の王者になったか? かんたんに無料で検索ができるというだけではなく、検索結果に挿入される広告ですら、Googleの検索を利用する人にとって都合が良いものであったからだと私は思います。Nutanixの消費モデルも同様で、お客様が理想とするクラウドの利用モデルをいちばん身近なオンプレミスで利用できる。誰もこれに反対する人はいないでしょう。最初のこの記事を読んだときからいつこの記事の和訳を公開しようかと考えていましたが、年度末最後の記事として公開させていただきました!